1
神森くんには
集まりの
時間を
メールで
連絡しておきますね。
事務所の
留守電に
残すより、
確かだと
思いますから。
念のため、
メールを
読んだ
後ですぐ
橋本さんの
お宅に
電話をする
ように
書いておきます。
2 また
こんなに
野菜を
残し
ちゃったの?
もっと
たくさん
食べて
体を
強く
しなくちゃいい
サッカー選手になれないよ!
有名な
選手は
いつも
ベストコンディションで
プレーできる
ように、
みんな
毎日
気をつけて
栄養をとっているんだよ。
3
その日の
仕事は
その日のうちに
かたづけようと
思っているが、
秋
になってからは
仕事が
忙しくて、
毎晩の
ように
11時
過ぎまで
オフィスに
残っている。
時々
最終
電車に
間に合わなくて
タクシーで
帰ら
なくてはならないが、
この辺は
空いている
タクシーを
探すのが
なかなか
難しい。
少し
歩いて
橋の
反対側に
行ったほうが
止めやすいが、
暗い道を
一人で
歩いて
行くのは
ちょっと
気持ちが
悪い。
4
家庭教師の
アルバイトの
ほかに、
週末は
近くのすし屋で
皿洗いを
しているが、
家賃と
電気代、
ガス代、
電話代を
払ったら、あとは4
万円
ぐらいしか
残らない。
5
背中の
上の方
なんですが、
先週から
痛くなって
夜もよく
寝られない
んです。
ソフトボールをやってる
時にお
かしくなっ
ちゃった
みたい
なんです。
シップ薬を
はろうと
思ってもうまく
手が届かないし、
医者に
痛み止めをもらって
飲んでいる
んです
けど、
ますます
痛くなってきたし、、。
もう少し
大きい町の
病院に
行って
みてもらった
方がいい
でしょうかねえ。
6
急な
用事で家を
何日も
空けなくてはいけ
なくなった
場合は、
なるべく家に
だれもいないのがわからない
ようにした方が
安全です。
例えば、
留守中の
郵便物や
宅急便はとなりの人に
預かって
もらう
ように
頼んでおき
ましょう。
この辺は
安全だと
思っていた
けど、
二週間ほど
前に
近くの
神社に
どろぼうが
入った
そうですから、
やっぱり
気をつけ
なくちゃ
いけませんね
7
先日
仕事帰りに
東田さんと
新橋の
喫茶店に
寄って
コーヒーを
一杯
飲んだ
時のこと
ですがね、
東田さんが
財布に
一万円
札しか
入ってい
ないと
言ったので、私が
代わりに
払って
おいてあげた
んですよ。
貸してあげるっていうつもりでね、、。
それから
毎日
東田さんと
オフィスで
顔を合わせている
けど、
どうもそのことを
忘れている
みたいで、お金を
かえしてくれない
んです。
そんなこと言い
にくいし、まあ、
ほんの400円のこと
ですから、かまわない
んです
けど、
前にも
同じようなことがあったのを
思い出しちゃって、、、。
ちょっと
気になる
んですよねえ。
8
私の
初恋は
小学校の5
年生の時です。
初めて彼を
見たのは、
九月の
学校の
校庭
でした。
秋の
運動会の
練習をしていた時だったと
思います。
彼は
友達と
キャッチボールをして、
ほかの子たちが
校庭に
集まるのを
待っていました。
普通の子より
少し
背が高くて、
顔がすごく
日焼けしていて、
ちょっと
かっこいい子だなと
思いました。
その時は
彼の
名前も
知りませんでした。
それから、
時々
学校で彼を
見るよう
になりました。
彼のことはすごく
気になっていた
けど、
なんだか
恥ずかしかったので、彼への
気持ちは
だれにも
言いませんでした。
彼の家は
私の
住んでいる
団地から、
ほんの2、3
分の
ところに
ありました。
私は彼が
学校から
帰るのを道で
待っていたことも
あります。
でも、彼が
近づいて
来ても、
恥ずかしくて
自分から
話しかけることは
できませんでした。
そのうちに
偶然に、
私の
友達が
彼と
同じ
音楽部に
入っていることがわかった
のです。
それからは、
時々
友達を
探しに
行く
ふりをして
音楽室に
行き、
少しずつ
彼と
話すよう
になりました。
私が
小さかった
頃は、
この辺はまだ
田んぼが
多く
残っていて、
でこぼこ道が
たくさん
ありました。
時々
学校から
帰ってから、
彼と
いっしょに
かえるや
虫を
探しに
行きました。
彼とは、まんがの話やそのころ
流行っていた
テレビ番組のことや
学校で
その日にあったことや、
色々なことを
話しました。
六
年生
になって、
同じ
クラスになった時は、すごく
嬉しかったのをよく
覚えています。
その
年の
桜は
いつもよりも
もっと
やさしい
色だった
ような気がします
春が
終わり、
夏が
来て、
休みに
入ってからも、
彼とは
時々
図書館で
会って
一緒に
夏休みの
宿題をやりました。
そのことは
私は
だれにも
言いませんでした。
彼も
同じだったと
思います。
彼には
仲のいい
友達が
たくさんいた
けど、
私のことを
だれにも
言わないでいて
くれることが、
どうしてかわかり
ませんが、私には
とても
嬉しかった
のです。
初恋
というのは、
たいてい
悲しい
終わりがくると、
私は
なんとなく
予期していました。
ハッピーエンドはまんがや
映画の
中だけ、、。
現実には
やっぱり
別れが
来るのだと
思っていた
のです。
別れと
言えるほど
恋をしていた
かどうかわからない
けど、
彼と
会え
なくなったのは、その
年の
冬
でした。
彼は
クリスマスの
前に
急に
大阪に
引っ越すこと
になって
しまった
のです。
その時には
詳しく
知りませんでしたが、
引っ越すことになった
理由は、
ご両親の
離婚だった
ようです。
最後に
彼と
会った時、彼は
新しい
住所を
書いた
青の
カードをくれました。
初めて彼を
見た
時の
九月の
空の
色と
同じ色
でした。
彼が
大阪に
行ってしま
ってから、
一度か
二度、
手紙を
書いた
かもしれません。
どうしてもっと
連絡し
なかったのか、
自分にもわかり
ません。
でも、
悲しい
恋の歌を
聴いたときは、
いつも
自分の彼への
気持ちを
歌に
重ねていました。
別れた人と
再会する
ストーリーを
読んだ時は、
自分にも
そういう日が
来ると
夢見ていました。
それからもう
何年も
過ぎました。
今でも、
時々
彼のことを
思い出す
ことがあります。
今彼がどこにいるのかも、何を
しているのかも
知らない
けど、
いつか
二人の道が
交差する時がある
かもしれないと
思う
のです。