1 何を
専門にするかまだ
決めていないが、母は
ジャーナリズムだけは
やめてほしいと
思っている
ようだ。
はっきりは
言わないが、
新聞社に
勤めていた父と
同じように、
仕事の
やり過ぎで
病気になって
しまうの
ではないかと
心配している
らしい。
2
実験結果
についての
レポートの
締め切りが
明日までだと
言うことを
すっかり
忘れていた
寝ずに
何とか6
ページ
書いたことは書いたが、
ちゃんと
読み直す
時間が
なかった。
3
不眠で
困っている
という人は
たくさんいる。
私も
そのうちの
一人だ。
何とか
寝よう
として、
色々なことに
トライしてみたが、
どれも
あまり
効果がない。
だれかよく
寝られる
方法を
知っていたら、
教えてほしい。
4 朝
出る時は
雲のない
青空だったので、
レインギアも
持たずに
ハイキングを
始めたが、
正午すぎから
少しずつ
曇ってきて、
今西川を
渡っている
時に
雷が
鳴ってきた。
あわてて
今来た
道を
戻ることにしたが、
すぐに
強い雨が
降ってきて、
ロッジに
着いた時は、
みんな
下着まで
びしょぬれ
になって
しまった。
山の
天気は
変わりやすい
という
登山の
基本を
すっかり
忘れていた。
これからは
ちゃんと
天気予報を
調べてから
出かける
ようにし
なくてはいけないと
思った。
5
秋からの
大学の
授業料を
払う
ために、
夏休みは車の
部品を
作る
工場で
働くことにした。
仕事は朝7時から4時までで、朝に
弱い
僕には
ちょっと
大変
そうだったが、お金はほかの
バイトより
うんといいし、
昼休みの
一時間は、
木の下で
昼寝が
できるそうなので、
何とかなる
だろうと
思って
始めたが、これが
とんでもない
間違いだった。
僕の
仕事は、
ラインの上に
乗っている、
縦
30
センチ、
横50
センチ
ぐらいの
大きさの
パーツを、
一つずつ
下ろして
箱に
入れることだ。
この
パーツは
一個の
重さが
かなりある。
パーツは
次から次へ
流れてくるし、
体を
使う
仕事に
慣れていないので、
一日
働いたあとは
背中や
腰が
痛くて
仕方がない。
毎晩
苦しんでいる僕を
見て、
妹は「
働くことの
大変さが
分かって、
怠け者の
お兄ちゃんには、いい
社会
勉強
になるわねえ。
」と
笑っている。
お金をもらっても、妹には
何も
買ってやらないことにした。
6
文学を
翻訳することの
難しさは、
やってみた人にしか
分からない
だろう。
言葉を
訳すことはできても、
違う
言語で、
著者の
スタイルや、
言葉の
裏にある
ニュアンスまでうまく
伝えることは
なかなか
できない。
それとは
反対に、
科学的な
読み物の
翻訳は、
専門的な
知識が
必要だが、それがあ
ったら、
そんなに
時間がかから
ないと
言える
だろう。
7
台風六
号が
近づいてきたため、
地下鉄も
バスもJR
線も、
午後6
時に
全部
止まってしまって、
今夜は家に
戻ることができ
なくなった。
タクシーを
使ったら、
帰れることは
帰れる
だろうが、
多分
空車は
なかなか
見つからない
だろう。
僕の
勤めている
会社の
若い人は、
みんな
オフィスで
寝ることにした。
窓の外は
大雨だったが、
近くの
コンビニで
酒やお
つまみを
買って
来て、
大学の
時の
ゼミ
旅行の
夜
みたいで、
みんな
楽し
そうだった。
8
あなたには、
もっとやさしさが
必要よ。
いくら
立派な
大学を出て、
有名な
会社に
勤めていても、
子どもの
気持ち
を
わかってあげられない
あなたは
父親
としては
最低。
あなたは
子どもの
気持ちを
ゆっくり
聞いてあげた
ことがある?
子どもと
話すことの
大切さを
あなたはぜんぜんわ
かっていないのね。
9
海外出張のため、二、
三か月ほど家を
留守
にするから、
悪いけど
預かってほしいと
言って、
細川
君が
茶色の
猫を
僕の家に
連れて来た。
「僕は猫を
飼ったことが
ないから、、」と
言ったのだが、
ほかに
適当な
人がい
ないから
頼むと
言って、
無理に猫
を
おいて
帰って
しまった。
仕方がない。
細川君
によると、この猫は
何でも
食べる
そうだが、
特に
みそ汁が
好き
らしい。
晩ご飯
のために
鍋に
残して
おいた
みそ汁は、僕が
家に帰った
時には、
いつも
きれいになくなっている。
変な猫だ。
細川君に
名前を
聞くのを
忘れて
しまったが、
わざわざ
メールで
聞くのも
めんどうくさいと
思って、「なな」と
呼ぶことにした。
この猫を
預かった日が
七月
七日だった
からだ。
ななは、
初めは
慣れない家で
色々な
ところを
調べている
みたいだった。
きたない
部屋だと
思っていたの
かもしれない。
でも、
すぐに
一番
涼しい
東の
窓の下を、
自分の
スペースに
決めた
ようだった。
いつも
そこで
気持ちよさそうに
昼寝している。
僕の方も、
このごろ、ななと
一緒の
生活に
慣れてきて、
だんだんかわいいと
思うよう
になってきた。
夕べ、家に
戻った時、「なな
ちゃん、
ただいまー。
」と
言ってから、
自分で
ちょっと
恥ずかしくなった。