管理解説書

fs getserverprefs

目的

キャッシュ・マネージャーのファイル・サーバーまたは VL サーバー・マシンについての優先順位を表示します。

構文

fs getserverprefs [-file <output to named file>]  
                  [-numeric]  [-vlservers]  [-help]
     
fs gets [-f <output to named file>]  [-n]  [-v]  [-h]
    
fs gp [-f <output to named file>]  [-n]  [-v]  [-h]

構文

fs getserverprefs コマンドは、ファイル・サーバー・マシン・インターフェース (fs プロセスを実行するファイル・サーバー・マシン) の優先順位、または、-vlserver フラグが与えられている場合には、ボリューム・ロケーション (VL) サーバー・マシン (vlserver プロセスを実行するサーバー・マシン) の優先順位を表示します。ファイル・サーバー・マシンに、キャッシュ・マネージャーは、1 台のマシンにつき最高 15 のインターフェースを記録し、各インターフェースに個別のランクを割り当てます。ランクは、ボリュームからデータを取り出す必要があるときにキャッシュ・マネージャーが接続を試みるボリュームを格納しているマシンのインターフェースの順序を示します。 VL サーバー・マシンでは、ランクはキャッシュ・マネージャーが VLDB 情報の要求時に接続を試みるセルの VL サーバーの順序を示しています。どちらのタイプのランクでも、より低い整数値が優先されます。

キャッシュ・マネージャーは、ランクをカーネル・メモリーに格納しています。ランクが一度設定されると、マシンをリブートするか、fs コマンドを使用して変更するまでランクは残ります。キャ ッシュ・マネージャーがデフォルト・ランクを設定する方法およびコマンドを使用してデフォルト値を変更する方法については、fs setserverprefs コマンドの解説ページで説明しています。

デフォルトの VL サーバーのランクは、10,000 から 10,126 まであります。キャッシュ・マネージャーはそれらランクを、/usr/vice/etc/CellServDB ファイルのコピーにリストされているすべてのマシンに割り当てます。キャッシュ・マネージャーがセルから VLDB 情報を取り出す必要がある場合、そのセルに属する VL サーバー・マシンのランクを比較し、最も低い整数ランクを持つ VL サーバーに接続しようとします。キャッシュ・マネージャーが VL サーバーに到達できない場合 (サーバー・プロセス、マシン、またはネットワークの停止によって) 、リストで次に低い整数ランクを持っていた VL サーバーから順に接続を試みます。セルがある VL サーバー・マシンのすべてが使用不可能な場合、キャッシュ・マネージャーがセルからデータを取り出すことはできません。

デフォルトのファイル・サーバーのランクは、5,000 から 40,000 まであります。ただし、VL サーバーに使用する範囲 (10,000 〜 10,126) は除きます。取りうる最大ランクは 65,534 です。キャッシュ・マネージャーがボリュームからデータを取り出す必要のある場合、そのボリュームを格納しているマシンのインターフェースのランクを比較し、最も低い整数ランクを持つインターフェースに接続しようとします。そのインターフェースを経由して fileserver プロセスと交信できない場合には (サーバー・プロセス、マシンまたはネットワークの障害のため)、次に低い整数のランクのインターフェースと交信しようとします。ボリュームを格納するマシンのどのインターフェースにも到達できなかった場合には、ボリュームからデータを取り出すことはできません。

ファイル・サーバー・マシンと VL サーバー・マシンの両方で、外部セルにあるマシンまたはインターフェースに、ローカル・セルにあるマシンまたはインターフェースと同じランクを持たせることができます。キャッシュ・マネージャーは 1 つのセルに属しているマシンのランクを同時に比較することはないので、これには問題はありません。

オプション

-file
優先順位を書き込むファイルの名前を指定します。指定したファイルがすでに存在している場合、コマンドはその内容を上書きします。パス名が無効な場合、コマンドは失敗します。この引き数が使用されなかった場合、標準出力のストリームに優先順位が表示されます。

-numeric
ファイル・サーバー・マシン・インターフェースまたは VL サーバー・マシンのホスト名ではなく、 IP アドレスを表示します。この引き数が使用されなかった場合には、fs コマンドのインタープリターは、IP アドレスを、たとえば fs1.abc.com というホスト名に変換します。

-vlservers
ファイル・サーバー・マシンのインターフェースではなく、VL サーバー・マシンの優先順位を表示します。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

出力

出力は、マシンのホスト名または IP アドレスをそのランクで対にし、ファイル・サーバー・マシンのインターフェースまたは VL サーバー・マシンごとに、別個の行から成っています。キャッシュ・マネージャーはランクのカーネル・リストに IP アドレスを保管しますが、デフォルトではコマンドは、セルの名前サービス (ドメイン名サーバーなど) またはローカル・ホスト・テーブルのいずれかを参照する変換ルーチンを呼び出すことによって、インターフェースをホスト名で識別します。 IP アドレスが出力に表示される場合は、それは、変換が失敗したためです。変換ステップをバイパスし、ホスト名ではなく IP アドレスを表示するには、-numeric フラグを組み込みます。これによって、出力の作成をかなり速めることができます。

デフォルトで、コマンドは標準出力のストリームに書き込みます。ファイルに出力を書き込むには、-file 引き数を使用します。

次の例では、ローカルのキャッシュ・マネージャーのファイル・サーバー・マシンについての優先順位を表示します。AFS セルに属するローカル・マシンは、abc.com と命名されています。この例では、ローカル・セルにあるファイル・サーバー・マシンのランクは、外部セルからのファイル・サーバー・マシン、def.com のランクよりも低くなっています。 2 つのマシンの IP アドレスを 138.255 ネットワークで変換することはできません。

   % fs getserverprefs
   fs2.abc.com           20007
   fs3.abc.com           30002
   fs1.abc.com           20011
   fs4.abc.com           30010
   server1.def.com       40002
   138.255.33.34         40000
   server6.def.com       40012
   138.255.33.37         40005
   

次の例では、-numeric フラグがあるときに、出力がどのように IP アドレスを表示するのかを示しています。また、ネットワーク接近性がどのようにデフォルト・ランクを決定するのか (fs 解説ページで説明されています) について説明してます。ローカル ・マシンの IP アドレスは 192.12.107.210 で、そのサブネットワーク上にある 2 つのファイル・サーバー・マシンは、20,007 および 20,011 のランクを持っています。ローカル・マシンのネットワークの異なるサブネットワーク上にある 2 つのファイル・サーバー・マシンは、残りのマシンのランクが完全に別のネットワークにあるため、40,000 から 40,012 の範囲に及ぶのに対して、30,002 および 30,010 のより高いランクを持っています。

   % fs getserverprefs -numeric
   192.12.107.214          20007
   192.12.105.99           30002
   192.12.107.212          20011
   192.12.105.100          30010
   138.255.33.41           40002
   138.255.33.34           40000
   138.255.33.36           40012
   138.255.33.37           40005
    

以下の例では、-vlservers フラグで VL サーバー・マシンの優先順位を表示しています。

   % fs getserverprefs -vlservers
   fs2.abc.com            10052
   fs3.abc.com            10113
   fs1.abc.com            10005
    

必要となる特権

なし。

関連情報

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