この文書ではMITのAthenaシステムを使っている人が、Emacsエディタで
日本語の入力を可能にするまでの手順を解説します。
SKK自体の使いかたはSKKのウェブサイトやチュートリアルを参照
して下さい。
まずSKKについては、
http://openlab.ring.gr.jp/skk/features-ja.html
を読んでください。ATOKやMS-IME等とは根本的に異なる発想に基づいた
日本語入力方法なので、好きな人と嫌いな人に極端に別れますが、僕は
非常に好きです。もちろんこの文書もSKKで書いています。SKK最高!
それでは、具体的なインストールの方法に移ります。
準備として、Emacsで日本語のフォントが表示できるかどうかをテスト します。
athena% emacs &でEmacsを起動して、C-h h (コントロールを押しながらhを押して、 コントロールを離してからhをもう一度押す)とするといろんな言葉 が書かれたファイルが開かれます。アラビア語やチベット語に混じって 日本語がちゃんと表示されていればOKです。もしだめなら
athena% emacs ~/.Xresources &で.Xresourcesというファイルを開いて、
Emacs.Font: -misc-fixed-medium-r-normal-*-*-120-75-75-*-*-*-*という1行を追加して下さい。C-x C-cで保存してEmacsを終了できます。 一度ログアウトしてから再ログインして、日本語のフォントが表示できる かどうか試してみてください。
まずはファイルをダウンロードするディレクトリを作っときましょう。
ahtena% mkdir skk_temp athena% cd skk_temp次に、必要なファイルを今作ったディレクトリに集めます。
athena% netscape &でネットスケープを起動します。ファイルの保存はリンクを直接クリック するのではなく、リンク上で右ボタンを押して、"Save Link As..."を使う 方が無難です。
1.APELのダウンロード
APELはEmacsのバージョン間の相違を吸収するためのライブラリです。
ftp://ftp.jpl.org/pub/elisp/apel/
もしくは
ftp://ftp.m17n.org/pub/mule/apel/
から最新版のAPELを取ってきて下さい。この文書を書いている時点での
最新版はapel-10.3.tar.gzです。
2.SKKのダウンロード
SKK本体です。
http://openlab.ring.gr.jp/skk/maintrunk/legacy/
からskk10.62a.tar.gzをダウンロード。開発版のDaredevil SKKもあり
ますが、これで許しときましょう。
3.SKK-JISYOのダウンロード
仮名漢字変換で使う辞書です。
http://openlab.ring.gr.jp/skk/dic/
からSKK-JISYO.L、又はSKK-JISYO.Mをゲット。Lの方がでかい分変換
精度が上がりますが、ちょっと遅いかもしれません。あと
ネットスケープでダウンロードする時のダイアログファイル名の最後
に".gz"が付かないことがあるので、手動で末尾に".gz"と書いときましょう。
必要なファイルがそろったら、解凍します。
athena% add gnuとしてから
athena% gunzip file_name.tar.gz athena% tar xvf file_name.tarをそれぞれのファイルに行なって下さい。
で、インストールですが、デフォルトでは普通のユーザーが触れない ディレクトリにインストールしようとして失敗するので、少し設定 ファイルをいじります。
athena% cd apel-10.3/ athana% emacs APEL-CFG &とするとEmacsでAPELの設定ファイルが開けます。55行目ぐらいにある
;; (setq PREFIX "~/")の頭のセミコロンを消して、自分が書きこめるディレクトリに変えとき ましょう。
(setq PREFIX "~/")この1行だけ書き変えて、C-x C-c(コントロール押しながらx、コントロール 押しながらc)とやって保存するか?という質問にyと答えると、保存されます。 うまくいきましたか?うまくいったら
athena% make installとするとAPELがインストールされます。
次にSKKをインストールします。
athena% cd .. athena% cd skk-10.62aでディレクトリを移動して、
athena% emacs SKK-CFG &で設定ファイルを開きます。どの行でもいいから次の2行を追加します。
(setq APEL_SPECIFIC_LISPDIR "~/share/emacs/site-lisp/apel") (setq PREFIX "~/")最初の1行はAPELのライブラリがインストールされた場所です。 再びC-x C-cとして変更を保存します。
athena% make athena% make installとするとSKKがインストールされます。
辞書をどこか適当な場所に置いておきます。
athena% mv ~/skk_temp/SKK-JISYO.L ~/share/skk/
最後にEmacsの設定ファイルである.emacsに以下を追加して終りです。
athena% emacs ~/.emacs &で.emacsを開いて、
---- ここから ---- ;; Add pahts to SKK and APEL (defvar system-load-path load-path) (setq my-load-path '("~/share/emacs/site-lisp/skk" "~/share/emacs/site-lisp/apel" "~/share/emacs/site-lisp/emu")) (setq load-path (append my-load-path system-load-path)) ;; Configure for SKK (require 'skk-autoloads) (global-set-key "\C-x\C-j" 'skk-mode) (global-set-key "\C-xj" 'skk-auto-fill-mode) (global-set-key "\C-xt" 'skk-tutorial) ;; Specify dictionary location (setq skk-large-jisyo "~/share/skk/SKK-JISYO.L") ;; Specify tutorial location (setq skk-tut-file "~/share/skk/SKK.tut") (add-hook 'isearch-mode-hook (function (lambda () (and (boundp 'skk-mode) skk-mode (skk-isearch-mode-setup))))) (add-hook 'isearch-mode-end-hook (function (lambda () (and (boundp 'skk-mode) skk-mode (skk-isearch-mode-cleanup)) (and (boundp 'skk-mode-invoked) skk-mode-invoked (skk-set-cursor-properly))))) ---- ここまで ----
C-x C-cでEmacsを終了して、
athena% emacs &としてEmacsを再起動してみて下さい。.emacsにエラーがあればウィンドウ の一番下に表示されます。エラーが出た場合は.emacsをチェックして下さい。 エラーが出ずに、C-x C-jと押してEmacsのウィンドウの一番下の黒い行に (Text かな Fill)と出れば成功です。
M-x skk-tutorial (Altキー、Sunのマシンではダイヤモンドのキーを押し ながらx、skk-tutorialとタイプしてリターン)でチュートリアルに入れ ますので、SKKの使い方をマスターして下さい。SKKの漢字変換の方法は 目から鱗モンです。このチュートリアルで感動する人は感動するはず。
SKKのマニュアルは
http://openlab.ring.gr.jp/skk/skk-manual/skk-manual-ja.html
にあります。
うまくインストールできたら skk_temp ディレクトリは消してもかまいません。
athena% cd athena% delete -r ~/skk_temp athena% delete -r ~/skk_temp athena% expunge
日本語メールの送り方だけ書いておきます。
.emacsに下の1行を追加して下さい。
(load "/afs/sipb/contrib/emacs/packages/tm-install-dir/share/emacs/site-lisp/mime-setup")Emacs上で
M-x mh-smailとすると、宛て先、表題を訊かれます。それぞれ入力すると内容を書けます。 書き終わったら
M-x mh-send-letterとするとメールが送れます。
==終わり==
間違いや改善できる点などがあれば tatsuki@mit.eduまでお知らせ下さい。