1.9. 不測の事態を予測する

"不測の事態を予測する"という言い回しはありふれていますが、すべてのシステム管理者が理解しなければならない根本的な真実を表しています。

警戒を怠っているときに必ず起こります。

厄介な現実に慣れてきたら管理者として何ができるでしょうか。答えは、できる限り多くの選択肢を管理者(そしてユーザー)に与えてくれるような方法で管理を遂行するという柔軟性にあります。ディスクスペース関連の問題を例にあげてみます。十分なディスクスペースを確保することができないというのは、重力の法則と同じように物理的な法則に非常に似ています。ある時点で早急に追加のディスクスペースがどうしても必要であるという事態に直面するだろうと仮定するのが合理的です。

こうした場合、不測の事態を予測しているシステム管理者はどうするでしょうか。恐らく、ハードウェア障害が発生したときのための予備のディスクドライブをいくつか用意している可能性があります[1]。この種の予備で臨時的な配備を迅速に行うことができ[2]、ディスクスペースの不足に短期的に対応することができる場合があります。これにより、問題をより長期的に解決する時間を確保することができます(例、追加ディスクドライブ購入に関する標準の手続きをとるための時間など)。

問題が起きる前に事態を予測する努力をすることにより、慌てることなく素早く、効果的に対応できる態勢をとることができます。

注記

[1]

また、不測の事態を予測しているシステム管理者は当然、RAID (または関連テクノロジー)を使って実稼働環境時における深刻なディスクドライブ不足を軽減するでしょう。

[2]

ここでも、先読みしていくシステム管理者はシステムに新しいディスクドライブを迅速に追加するためできるだけ簡潔に設定を行います。