7.3. インクジェットプリンタ

インクジェットプリンタは今日、もっとも一般的な印刷技術のひとつとして利用されています。小規模ビジネスやホームオフィスで比較的低コストで他目的な印刷機能を求める場合インクジェットプリンタを選択するとよいでしょう。

インクジェットプリンタは速乾性の水溶性インクと印刷用紙の表面にインクを吹き付ける複数の小さなノズルが並んだプリントヘッドを使用します。プリントヘッドの構造は印刷用紙上でプリントヘッドを移動させるベルト式モーターで制御されるようになっています。

インクジェットはもともと モノクローム(白黒)印刷のみでした。しかし、プリントヘッドが拡張され、ノズルがシアン、マゼンタ、黄色、黒に適応するよう改良されました。この配色により(CMYK と呼ばれる)写真現像所とほぼ同品質でのイメージ印刷が可能になりました(特定種のコート紙を使用)。鮮明でくっきりとした高品質のテキスト印刷が可能になり、インクジェットプリンタは白黒、カラー両方のニーズに合うオールインワンの選択肢となり得るようになりました。

7.3.1. インクジェットの消耗品

インクジェットプリンタは低コストであることが多く、印刷品質、追加機能、及び標準のリーガルまたはレター用紙サイズより大きい用紙に印刷できる機能に応じていくらか高くなります。インクジェットプリンタの購入、設定など導入時のみのコストは他のプリンタ機種に比べ低価格ですが、インクジェットの消耗品について考慮すべき点があります。インクジェットの需要は大きく家庭用から企業使用までコンピュータ化の範囲が広がっているため、消耗品の購入に関しては費用がかかることがあります。

注記注記
 

インクジェットプリンタを購入する際は、必要なインクカートリッジの種類を必ず確認しておきます。特にカラーユニットの場合は非常に重要です。CMYK インクジェットプリンタには各色のインクが必要ですが、各色が別々のカートリッジなのか一緒のカートリッジなのかが重要です。

1つのマルチチャンバーカートリッジを使用するプリンタがあります。何らかの詰め替え手段がない限り、1色のインクが切れるとそのカートリッジ全体を交換しなければなりません。シアン、マゼンタ、黄色に1つのマルチチャンバーカートリッジを使用し、黒には別のカートリッジを使用するプリンタもあります。テキスト印刷が多い環境には、このタイプを使用すると便利な場合があります。しかし、一番よいのは各色にそれぞれ別々のカートリッジがあるプリンタを探すことです。これなら、インク切れした色だけを簡単に交換することができます。

インクジェットメーカーによっては、高品質のイメージや文書の印刷に特殊処理をした印刷用紙を使う必要があります。この用紙は色インクを吸い取るよう考案された中から高の光沢コートを使用し、これによりだま(水溶性インクには複数色が混合した部分に集まる傾向があり、汚れや乾いたインク染みの原因になる)やバンディング(印刷ページに関係のないストライプパターンの行を出力する)を予防します。推奨用紙についてはプリンタの説明書をお読みください。