7.4. レーザープリンタ

レーザープリンタの技術はインクジェットより古く、旧式のインパクト印刷に代る一般的なプリンタとなり、その大容量出力と印刷ページ毎の低コストで知られています。レーザープリンタは企業内でワークグループや部門別の印刷センターとして設置されることが多いプリンタであり、パフォーマンス、耐久性、出力が優先して要求されます。レーザープリンタはこうしたニーズに容易に対応し、その技術は企業印刷に欠かせない機器として広く認識されています。

レーザープリンタは複写機とほぼ同じ技術を共有しています。ローラが用紙トレイから用紙を引き出し帯電ローラを通して用紙に静電気を与えます。同時に、印刷ドラムに反対性の電気が与えられます。ドラムの表面がレーザーでスキャンされ、ドラムの表面を放電し目的のテキストやイメージに相当する点だけ帯電したままにします。この帯電でトナーがドラムの表面に付着するようにします。

次に用紙とドラムが接触します。互いの異なる電気によってトナーが用紙に付着します。最後に、用紙は定着ローラ間を通ります。これにより、用紙が熱されてトナーを溶融し、用紙の表面に押し付けて定着させます。

7.4.1. カラーレーザープリンタ

カラーレーザープリンタはレーザーとインクジェットの両技術を組合わせた他目的プリンタパッケージを目指しています。技術は従来のモノクロレーザープリンタをベースとしていますが、付加コンポーネントを使ってカラーのイメージや文書を作成します。ブラックトナーだけを使用するのではなく、CMYK トナー配色を使用します。印刷ドラムが各色を回転させて一色づつトナーを置いていくか、プレートに全 4 色を置いてからドラムを介して用紙を通過させ、完全なイメージを印刷用紙に転写します。また、カラーレーザープリンタでは熱式定着ロールの他に定着オイルも採用し、これによりカラートナーを用紙に接着させ印刷イメージに光沢の度合いを与えることができます。

機能が追加されているため、カラーレーザープリンタはモノクロレーザープリンタに比べ一般的に 2 倍(あるいはそれ以上)の費用がかかります。購入や維持にかかる全体コストを印刷リソースに応じて計算した場合、モノクロ(テキスト)印刷やカラー(イメージ)印刷にそれぞれ専用のモノクロレーザープリンタまたはカラーレーザープリンタを別途に購入した方がよい場合もあります。

7.4.2. レーザープリンタの消耗品

配備するレーザープリンタの種類によって消耗品コストは通常、印刷量に比例してきます。カートリッジ式のトナーは一般的にはカートリッジ自体の交換が必要ですが、リフィルが可能なトナーもあります。カラーレーザープリンタには 4 色それぞれにトナーカートリッジが必要になります。また、用紙にトナーを接着する定着オイルとこぼれたトナーをキャッチする廃トナーボトルも必要になります。こうした追加品でカラーレーザープリンタの消耗品コストは高くなります。しかし、平均的には約 6000 ページの印刷が可能で、同等のインクジェットやインパクトプリンタの消耗品寿命と比べると非常に多いページ数になるため価格相応の価値はあります。レーザープリンタでは用紙の種類はあまり問題になりません。つまり、ほとんどの印刷ジョブに普通のゼログラフィかコピー紙をまとめ買いすることができるからです。ただし、高品質イメージを印刷する場合、プロ用の仕上がりには光沢紙を購入する必要があります。