目的
磁気テープからダンプ情報を抽出します。
構文
backup scantape [-dbadd] [-portoffset <TC port offset>] [-localauth] [-cell <cell name>] [-help] backup sc [-d] [-p <TC port offset>] [-l] [-c <cell name>] [-help]
構文
backup scantape コマンドは、 -portoffset 引き数で指定されたテープ・コーディネーターの装置にある磁気テープのダンプ・ラベルおよびボリューム・ヘッダーから情報を抽出します。テープ・コーディネーターは、各ボリュームの情報を抽出するとすぐに、その情報をウィンドウに表示します。(磁気テープ全体の走査が終わるまで待ちません。)
(指定されたポート・オフセットの /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルに FILE YES 命令がある場合、 backup scantape コマンドは、磁気テープからではなく、テープ・コーディネーターの /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルのポート・オフセットの項目で指定されているバックアップ・データ・ファイルからダンプ情報を抽出します。説明を分かりやすくするために、以下では磁気テープ装置の場合について説明しますが、バックアップ・データ・ファイルの取り扱いは磁気テープ装置の場合とほとんど同じです。)
-dbadd フラグが指定されると、 backup scantape コマンドは、走査した情報についてバックアップ・データベースにダンプ・レコードおよびボリューム・レコードを新規に作成します。ただし、同じダンプのレコードがすでにデータベースにある場合には、スキャン操作を終了します。
スキャン操作は、ボリューム・データのある磁気テープに対してのみ実行可能です。磁気テープにバックアップ・データベースのコピー (backup savedb コマンドで作成されたか、 AFS 磁気テープ名 Ubik_db_dump.1 を持っています) があると、このコマンドは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。
このコマンドを実行すると、デフォルトでは、テープ・コーディネーターは、 CFG_device_name ファイルの MOUNT 命令を呼び出して、最初の磁気テープにアクセスします。MOUNT 命令がない場合には、磁気テープの挿入をバックアップ操作員に要求します。ただし、 CFG_device_name ファイルに AUTOQUERY NO 命令があるか、あるいは butc コマンドが -noautoquery フラグ付きで発行されている場合には、テープ・コーディネーターは、磁気テープがすでに装置に挿入されているとみなします。そうでない場合、テープ・コーディネーターは MOUNT 命令を呼び出すか、操作員にプロンプトを出します。
対話モードで磁気テープのスキャン操作を終了する場合には、 (backup) kill コマンドを出します。非対話モードでは、唯一の選択は、 <Ctrl-c> などの終了信号によって、磁気テープ・ コーディネーターを完全に終了することです。
注意
スキャン操作は、必ずしもダンプ・セットの最初の磁気テープから開始する必要はありませんが、バックアップ・システムは、最初の磁気テープから順番に、磁気テープを処理していきます。テープ・コーディネーターは、ローカル /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルの MOUNT 命令を呼び出すか、 MOUNT 命令がない場合には操作員にプロンプトを表示し、次の磁気テープを自動的に要求します。
破壊されたり、損傷を受けている磁気テープの走査が完了するかどうかは、損傷を受けたエクステントや破壊されているデータのタイプによって異なります。多くの場合、損傷を受けた時点まで磁気テープの走査を行うことができます。損傷の度合いが低い場合には、テープ・コーディネーターはその部分をスキップして、残りの磁気テープの走査を行いますが、損傷が大きい場合には、そこで走査を終了します。スキャン操作は、ダンプ・セット内のどの磁気テープからでも開始できるので、 1 つの磁気テープが損傷を受けていても、ダンプ・セットの残りの磁気テープの走査が停止することはありません。ただし、損傷を受けている磁気テープの前のテープまたはその後のテープのいずれかを走査することはできますが、両方ともスキャンすることはできません。
磁気テープのラベルが、 backup labeltape コマンドで再作成されている場合には、バックアップ・データベースの再構築ができなくなるので、その磁気テープからデータを回復できなくなります。
このコマンドに -dbadd フラグが指定されている場合には、磁気テープのスキャン操作が完了する前に、 (対話モードで (backup) kill コマンドを発行して) 終了しないようにしてください。バックアップ・システムは、磁気テープ上の関連情報を走査すると即時に、新規レコードをダンプごとにバックアップ・データベースに書き込みます。したがって、おそらく新規のレコードがすでに書き込まれている可能性があります。スキャン操作を再実行したい場合には、操作員が終了操作で作成されたレコードを検出して、削除しなければなりません。作成するデータが存在していると、次のスキャン操作は自動的に終了します。
-dbadd フラグが指定され、指定された最初の磁気テープがダンプ・セット内の最初の磁気テープでない場合には、次の制約があります。
オプション
出力
磁気テープ上のダンプごとに、 backup scantape コマンドは、そのダンプのダンプ・ラベルと各ボリュームの見出しを [テープ・コーディネーター] ウィンドウに表示します。ダンプが複数の磁気テープに分散している場合、後続の磁気テープの先頭にダンプ・ラベルはありません。
ダンプ・ラベルには、次のフィールドがあります。これは、 backup readlabel コマンドの出力と同じです。
ボリューム・ヘッダーには、次のフィールドがあります。
出力が完了すると、Scantape: 完了 というメッセージが表示されます。
通常では、磁気テープの最後にボリュームを追加したり、次の磁気テープにボリュームを続ける場合に、バックアップ・システムはマーカーを書き込みます。ただし、バックアップ操作が異常終了すると (たとえば、操作員が処理中に <Ctrl-c> によってテープ・コーディネーターを終了した場合など)、このようなマーカーは書き込まれません。バックアップ・システムのバージョンがかなり古い場合には、このようなマーカーは書き込みません。磁気テープが最後に予期したマーカーがないと、テープ・コーディネーターは、ダンプ・セット内で後続の磁気テープがあるかどうか判別できないため、次のメッセージをウィンドウに表示します。
磁気テープを追加しますか? (y/n)
例
次の例は、ポート・オフセット 0 の装置にある磁気テープの最初の 2 つのボリュームを示しています。
% backup scantape Dump label ---------- tape name = monthly_guest AFS tape name = guests.monthly.3 creationTime = Mon Feb 1 04:06:40 1999 cell = abc.com size = 2150000 Kbytes dump path = /monthly dump id = 917860000 useCount = 44 -- End of dump label -- -- volume -- volume name: user.guest10.backup volume ID 1937573829 dumpSetName: guests.monthly dumpID 917860000 level 0 parentID 0 endTime 0 clonedate Mon Feb 1 03:03:23 1999 -- volume -- volume name: user.guest11.backup volume ID 1938519386 dumpSetName: guests.monthly dumpID 917860000 level 0 parentID 0 endTime 0 clonedate Mon Feb 1 03:05:15 1999
必要となる特権
コマンドの発行者は、バックアップ・サーバーが実行されているすべてのマシン上の /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。また、-localauth フラグを使用する場合は、ローカル・スーパーユーザー root としてサーバー・マシンにログオンする必要があります。
関連情報