目的
backup コマンド・セットの概要
構文
backup コマンド・セットのコマンドは、 AFS バックアップ・システムの管理インターフェースです。このセットのコマンドには、いくつかの種類があります。
backup コマンド・インタープリターは、次の 2 つのプロセスとも対話を行います。
各テープ・コーディネーターは、バックアップ・データベースに登録されなければなりません。テープ・コーディネーターのローカル・ディスクの中に、 /usr/afs/backup/tapeconfig 構成ファイルがあります。この 2 つの場所の情報が矛盾していると、バックアップ・システムのパフォーマンスが適切でなくなります。各テープ・コーディネーターのオプション /usr/afs/backup/CFG_device_name には、その操作を自動化するための情報が記録されます。
標準のコマンド行インターフェース以外に、 backup コマンド・セットでは、 対話的な インターフェースが用意されています。ここでは使用できる機能については、 backup (interactive) 参照ページを参照してください。このコマンド・セットの中で対話モードで使用できるのは、 (backup) jobs、(backup) kill、および (backup) quit の 3 つだけです。
オプション
backup セットの多くのコマンドでは、以下のオプションを使用することができます。各コマンドの解説ページにも説明はありますが、ここでは詳しく説明します。
-cell と -localauth オプションは一緒に使用しないでください。 -localauth フラグを指定したコマンドは、 (サーバー・マシンのローカル /usr/afs/etc/ThisCell ファイルで定義されているように) ローカル・セル内で実行されますが、 -cell 引き数を指定したコマンドは、指定した外部セルで実行されます。
-cell 引き数は、対話モードのコマンドでは使用できません。 backup コマンド・インタープリターが対話モードを入力するときに定義されたセルは、対話式セッション中に出されたすべてのコマンドに適用されます。
このフラグは、サーバー・マシンにコマンドを出す場合にのみ使用します。クライアント・マシンには、通常 /usr/afs/etc/KeyFile ファイルがありません。このフラグを使用するコマンドの発行者は、サーバー・マシンにローカル・スーパーユーザー root としてログオンしている必要があります。このフラグは、UNIX cron ユーティリティー、またはマシンの /usr/afs/local/BosConfig ファイル内の cron 項目によって制御されたプロセスなどの、非在席アプリケーション・プログラムによって呼び出されたコマンドの場合に役立ちます。また、管理者が ローカル・スーパーユーザー root としてログインしても AFS に認証されない場合にも有効です。
-cell と -localauth オプションは一緒に使用しないでください。 -localauth フラグを指定したコマンドは、 (サーバー・マシンのローカル /usr/afs/etc/ThisCell ファイルで定義されているように) ローカル・セル内で実行されますが、 -cell 引き数を指定したコマンドは、指定した外部セルで実行されます。
-localauth 引き数は、対話モードのコマンドでは使用できません。 backup コマンド・インタープリターが、対話モードの入力に使用するローカル識別および AFS トークンは、対話式セッション中に出されたすべてのコマンドに適用されます。
backup コマンド・インタープリターとテープ・コーディネーター・プロセスは、 UDP ソケットまたはポートを介して通信を行います。磁気テープの読み取りまたは書き込みを行う backup コマンドを発行する前に、バックアップ操作員は、該当する磁気テープ装置を制御し、そのポート番号に送信される要求を listen する butc プロセスを開始しなければなりません。バックアップ・システム・マシンに複数の磁気テープ装置が接続されている場合には、各装置に固有の butc プロセスとポート・オフセット番号が割り当てられるので、同時にバックアップ操作を行うことができます。
バックアップ・システムは、磁気テープの容量とファイル・マーク・サイズとそれぞれのポート・オフセットを関連付けます (tapeconfig ファイルに定義されます)。磁気テープ装置が圧縮されていると、圧縮モードと非圧縮モードでは容量とファイル・マークの値が異なるため、 2 つのポートで別々のポート・オフセット番号が割り当てられます。
バックアップ・データベースは、最大 58,511 までのポート・オフセットを格納することができます。したがって、この引き数で使用できるのは、 0 から 58510 までの整数です。発行者でこの引き数を省略すると、デフォルトの 0 が使用されます。 (ポート・オフセットが 58,511 に制限されるのは、 UDP ソケット番号が 16 ビットの整数で識別され、バックアップ・システムの使用するソケット番号で最も小さい値が 7025 のためです。 16 ビットの整数で表現できる最大値は 65,535 です。そこから 7,025 を引くと、58,510 になります。ポート・オフセット 0 (ゼロ) を追加すると、最大値 58,511 まで増加します。)
セルの場合には、最大 58,511 までのポート・オフセット番号が定義可能ですが、次の制限のため、58,511 台の磁気テープ装置を同時に実行することはできません。
バックアップ・システムは UDP ソケットを予約しません。プロセスを開始しようとしたときに、別のアプリケーションでテープ・コーディネーターのソケットが使用されていると、 butc プロセスを失敗し、次のエラー・メッセージがシェル・プロンプトに表示されます。
bind: アドレスはすでに使用されています rxi_GetUDPSocket: バインドは失敗しました
backup コマンドを使用して、バックアップ・データベースにアクセスする場合には、バックアップ・サーバーの稼動している各マシンの /usr/afs/etc/UserList ファイルに、コマンドの発行者がリストされていなければなりません。 backup コマンドでボリューム・データにアクセスする場合には、バックアップ・サーバー・マシン、ボリューム・ロケーション (VL) サーバー・マシン、関連するボリュームを管理するファイル・サーバー・マシンのそれぞれにある UserList ファイルに、発行者が定義されていなければなりません。通常、共通の UserList ファイルは、セル内のデータベース・サーバーおよびファイル・サーバー・マシンにすべて配布されています。このタイプの特権についての詳細は、AFS 管理の手引き で特権ユーザーの章を参照してください。
-localauth フラグを使用する場合、ユーザーは、ローカル・スーパーユーザー root として、 backup コマンドを発行するサーバー・マシンにログオンする必要があります。
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