管理解説書

backup adddump

目的

ダンプ階層内でのダンプ・レベルを定義します。

構文

backup adddump -dump <dump level name>+  [-expires <expiration date>+]
               [-localauth]  [-cell <cell name>]  [-help]
   
backup addd -d  <dump level name>+ [-e <expiration date>+]  [-l]  
            [-c <cell name>]  [-h]

構文

backup adddump コマンドを使用すると、バックアップ・データベース内に複数をダンプ・レベルを作成し、格納することができます。バックアップ・データベース内のダンプは、結果的にダンプ構成を構築します。

-expires 引き数を使用すると、各ダンプ・レベルに有効期限を設定することができます。バックアップ・システムは、以後ダンプ・レベルでダンプを作成すると、指定された値を使用して、ダンプの有効期限を導き出します。バックアップ・システムは、これを磁気テープのラベル (またはバックアップ・データ・ファイル) に記録します。バックアップ・システムは、磁気テープに含まれる任意のダンプの最新の有効期限まで、 backup labeltape コマンドを使用して磁気テープに再びラベルが付けられない限り、磁気テープの上書きを拒否します。ダンプ・レベルに有効期限がない場合、バックアップ・システムは、ダンプを作成してすぐに、作成されたダンプを有効期限切れとして処理します。

(バックアップ・システムは、ダンプの有効期限が来ると、ダンプ・レコードをバックアップ・データベースから自動的に除去することに注意してください。ただし、ダンプを含む磁気テープがリサイクルされるか、磁気テープに再度ラベルが付けられる場合に限ります。有効期限切れまたはすでに使用されていないダンプを除去するには、 backup deletedump コマンドを使用します。)

有効期限は、絶対値で定義することも、相対値で定義することもできます。

オプション

-dump
ダンプ階層に追加するダンプ・レベルの名前を指定します。スラッシュを付けると (たとえば /full)、フル・ダンプ・レベルの名前になります。階層内のすぐ上のダンプ・レベル (その親ダンプ・レベル) の順序リストを付けると、インクリメンタル・ダンプ・レベルの名前になります。この場合、セパレーターとしてスラッシュを使用します。親ダンプ・レベルは存在していなければなりません。たとえば、ダンプ・レベル /full/full/incremental1 が存在していないと、インクリメンタル・ダンプ・レベル /full/incremental1/incremental2 を作成することはできません。

ダンプ・レベルの名前には、任意のレベル番号を使用することができますが、スラッシュを入れて、255 文字以下にしなければなりません。単一レベル (スラッシュ間の文字列) の最大値は 28 文字までです (先行するスラッシュは除く)。

ダンプ・レベル名には、すべての英数字を使用することができます。ただし、ピリオド (.) は使用できません。ピリオドは、ボリューム・セット名と、 backup dump コマンドにより自動的に割り当てられるダンプ名のダンプ・レベル名との区切り記号として使われます。他のメタ文字を使用する場合には注意が必要です。 backup adddump コマンドを対話モード以外で発行するときに使用する場合には、このメタ文字を二重引用符 (" ") で囲んでください。

-expires
絶対または相対有効期限を定義して、 -dump 引き数で指定された各ダンプ・レベルに関連付けます。絶対値で定義する場合には、次の形式で有効期限を定義します。

   [at] {NEVER | mm/dd/yyyy [hh:MM] }
   

この場合、任選択語 at の後には、文字列 NEVER (ダンプ・レベルで作成されたダンプの有効期限が切れないことを示す)、または必須部 (月は mm、日は dd、年は yyyy) を持つ日付値およびオプション部分 (時間は hh、分は MM) のいずれかが続きます。

hh:MM の部分は省略可能です。省略すると、デフォルトで 00:00 が使用されます。指定する場合には、24 時間形式で指定してください (たとえば、 8:30 p.m は 20:30)。年に指定できる値は、1970 から 2037 までです。 UNIX の標準表記では 2038 年 2 月までしか表現できないので、2037 より大きな値は無効になります。コマンド・インタープリターは、最大値から 1 を引いた値を自動的に割り当てます。

相対有効期限は、次の形式をしています。

   [in] [yearsy] [monthsm] [daysd]
   

この場合、任意選択語 in の後には、最低 1 つの年の数値 (最大で 9999) が続き、その後に、文字 y、月の数値 (最大で 12)、文字 m、または日の数値 (最大で 31)、文字 d が続きます。この 3 つのうち 2 つ以上を指定する場合には、上の順番どおり指定してください。ダンプの作成時刻に有効期限の相対値を加算した結果、 UNIX の時刻表現で可能な値を超えた場合には、バックアップ・システムは計算結果の日付を自動的に表現可能な最新日付に変更します。

注:コマンドの構文ステートメントは、二重引用符や他の区切り記号で囲む必要のない複数語の値を受け入れるため、その中にあるこの引き数には、正符号 (+) が付きます。このステートメントが複数日付を受け入れるからではありません。 -dump 引き数で指定された各ダンプ・レベルに関連付けられる日付 (任意選択で時刻) 定義は、 1 つだけ指定してください。

-localauth
ローカルの /usr/afs/etc/KeyFile ファイルのキーを使用して、サーバー・チケットを構成します。相互認証の間、 backup コマンド・インタープリターは、バックアップ・サーバー、ボリューム・サーバーおよび VL サーバーにこのチケットを提供します。このフラグは、-cell 引き数と一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-cell
コマンドを実行するセルを指定します。この引き数は、 -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

次のコマンドは、1 年間の相対有効期限を持つフル・ダンプを /1999 という名前で定義しています。

   % backup adddump -dump /1999 -expires in 1y
   

次のコマンドは、13 日の相対有効期限を持つインクリメンタル・ダンプを /sunday1/monday1 という名前で定義しています。

   % backup adddump -dump /sunday1/monday1 -expires in 13d
   

次のコマンドは、2 つのダンプのインクリメンタル・ダンプ・レベルをそれぞれ /Monthly/Week1/Monthly/Week2、という名前で定義しています。 3 番目の部分のフル・ダンプ・レベル /Monthly はすでに存在していなければなりません。両レベルの有効期限は、ともに 2000 年 1 月 1 日、12:00 a.m. です。

   % backup adddump -dump /Monthly/Week1 /Monthly/Week2 -expires at 01/01/2000
   

必要となる特権

コマンドの発行者は、バックアップ・サーバーが実行されているすべてのマシン上の /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。また、-localauth フラグを使用する場合は、ローカル・スーパーユーザー root としてサーバー・マシンにログオンする必要があります。

関連情報

backup

backup deldump

backup deletedump

backup listdumps

backup setexp


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