管理解説書

backup readlabel

目的

磁気テープのラベルを読み取り、表示します。

構文

backup readlabel  [-portoffset <TC port offset>]
                  [-localauth]  [-cell <cell name>]  [-help]
   
backup rea [-p <TC port offset>]  [-l]  [-c <cell name>]  [-h]

構文

backup readlabel コマンドは、磁気テープの磁気テープ・ラベルの情報を表示します。磁気テープの名前 (永続名、または磁気テープの内容を表す AFS 磁気テープ名 が特定の形式で書き込まれます) とその容量などを表示します。

指定されたポート・オフセットの /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルに FILE YES 命令がある場合、 backup readlabel コマンドは、磁気テープの先頭ではなく、テープ・コーディネーターの /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルのポート・オフセットにリストされているバックアップ・データ・ファイルの最初の 16 KB からラベル情報を読み取ります。

このコマンドを実行すると、デフォルトでは、テープ・コーディネーターは、ローカルの /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルの MOUNT 命令を呼び出して、最初の磁気テープにアクセスします。MOUNT 命令がない場合には、磁気テープの挿入をバックアップ操作員に要求します。ただし、 CFG_device_name ファイルに AUTOQUERY NO 命令があるか、あるいは butc コマンドが -noautoquery フラグ付きで発行されている場合には、テープ・コーディネーターは、磁気テープがすでに装置に挿入されているとみなします。そうでない場合、テープ・コーディネーターは MOUNT 命令を呼び出すか、操作員にプロンプトを出します。

オプション

-portoffset
この操作で磁気テープを処理するテープ・コーディネーターのポート・オフセット番号を指定します。

-localauth
ローカルの /usr/afs/etc/KeyFile ファイルのキーを使用して、サーバー・チケットを構成します。相互認証の間、 backup コマンド・インタープリターは、バックアップ・サーバー、ボリューム・サーバーおよび VL サーバーにこのチケットを提供します。このフラグは、-cell 引き数と一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-cell
コマンドを実行するセルを指定します。この引き数は、 -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

出力

このコマンドの出力は、コマンドが発行されたシェル・ウィンドウと [テープ・コーディネーター] ウィンドウに表示されます。

磁気テープにラベルが付いていないか、指定された磁気テープ装置が空の場合には、次のような出力が表示されます。

   Failed to read tape label.
   

そうでない場合には、シェル・ウィンドウに次の出力が表示されます。

   Tape read was labelled: tape name (dump id)
        size: size Kbytes
    

磁気テープに永続名がある場合には tape name に永続名が、そうでない場合には AFS 磁気テープ名が表示されます。 dump ID には、磁気テープにある初期ダンプのダンプ ID が、 size には記録されている磁気テープの容量が キロバイトで表示されます。

[テープ・コーディネーター] ウィンドウでは、下線で囲まれた Tape label という見出しが上部に表示され、下部には次の文字列が表示されます。

   -- End of tape label --
   

この間に、次の情報が表示されます。

tape name
backup labeltape コマンドの -pname 引き数で割り当てられた永続名。この名前はこの引き数が再度使用されるまで磁気テープに残ります。磁気テープが再利用された回数やラベルの変更回数には関係ありません。磁気テープに永続名がない場合には、このフィールドに <NULL> が表示されます。

AFS tape name
磁気テープ名。次のいずれかの形式で表示されます。バックアップ・システムは、 backup dump または backup savedb 操作の一部として、該当する AFS 磁気テープ名をラベルに自動的に書き込みます。この名前は、-name 引き数を付けて backup labeltape コマンドを発行しても割り当てることができます。

creationTime
バックアップ・システムがダンプ操作を開始し、初期ダンプを作成した時刻。

cell
ダンプ・セットが作成されたセル。このセルのバックアップ・データベースに、ダンプ・セットのレコードが格納されています。

size
ラベルに記録された磁気テープの容量。 KB 単位で表示されます。これは、磁気テープ上のデータ量ではありません。この値は、backup labeltape コマンドの -size 引き数で割り当てられた値か、テープ・コーディネーター・マシンにある /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルに指定されている値です。磁気テープを実際に測定した値ではありません。

dump path
ダンプ・セットにある初期ダンプのダンプ・レベル。

dump id
ダンプ・セットにある初期ダンプのダンプ ID 番号。バックアップ・データベースに記録されています。

useCount
磁気テープにダンプが書き込まれた回数。または、磁気テープのラベルが変更された回数。

出力が完了すると、ReadLabel: 完了 というメッセージが表示されます。

次の例は、永続名 が oct.guest.dump 容量が 2 MB の磁気テープの出力例です。容量は KB 単位で出力されています (2097152 = 2 x 10242)。

   % backup readlabel -portoffset 6
   Tape read was labelled: oct.guest.dump (907215000)
        size: 2097152 Kbytes
   

[テープ・コーディネーター] ウィンドウの出力は、次のようになります。

   Tape label
   ----------
   tape name = oct.guest.dump
   AFS tape name = guests.monthly.3
   creationTime = Thu Oct 1 00:10:00 1998
   cell = abc.com
   size = 2097152 Kbytes
   dump path = /monthly
   dump id = 907215000
   useCount = 5
   ---- End of tape label ----
   

永続名のない磁気テープの場合は、次のようになります。

   % backup readlabel -portoffset 6
   Tape read was labelled: guests.monthly.2 (909899900)
        size: 2097152 Kbytes
   

[テープ・コーディネーター] ウィンドウの出力は、次のようになります。

   Tape label
   ----------
   tape name = <NULL>
   AFS tape name = guests.monthly.2
   creationTime = Sun Nov 1 00:58:20 1998
   cell = abc.com
   size = 2097152 Kbytes
   dump path = /monthly
   dump id = 909899900
   useCount = 1
   ---- End of tape label ----
   

必要となる特権

コマンドの発行者は、バックアップ・サーバーが実行されているすべてのマシン上の /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。また、-localauth フラグを使用する場合は、ローカル・スーパーユーザー root としてサーバー・マシンにログオンする必要があります。

関連情報

backup

backup labeltape

butc


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