管理解説書

backup labeltape

目的

磁気テープ上に磁気的なラベルを作成します。

構文

backup labeltape [-name <AFS tape name, defaults to NULL>]
                 [-size <tape size in Kbytes, defaults to size in tapeconfig>]
                 [-portoffset <TC port offset>] 
                 [-pname <permanent tape name>] 
                 [-localauth]  [-cell <cell name>]  [-help]
   
backup la [-n <AFS tape name, defaults to NULL>]
          [-s <tape size in Kbytes, defaults to size in tapeconfig>]
          [-po <TC port offset>]  [-pn <permanent tape name>]
          [-l]  [-c <cell name>]  [-h]

構文

backup labeltape コマンドは、磁気テープの先頭に、バックアップ・システムが読み取り可能な形式で磁気的なラベルを作成します。このラベルには、磁気テープの名前 (永続名、または磁気テープの内容を表す AFS 磁気テープ名が特定の形式で書き込まれます) とその容量が記録されます。

(指定されたポート・オフセットのテープ・コーディネーター・マシンにある /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルに FILE YES 命令がある場合、 backup コマンドを実行すると、磁気テープの先頭ではなく、テープ・コーディネーターの /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルのポート・オフセットに対してリストされているバックアップ・データ・ファイルの最初の 16 KB にラベル情報が書き込まれます。説明を分かりやすくするために、以下では磁気テープ装置の場合について説明しますが、バックアップ・データ・ファイルの取り扱いは磁気テープ装置の場合とほとんど同じです。)

すでに AFS バックアップ・データのある磁気テープのラベルを作成し直すと、磁気テープ内の完全なダンプ・セットのレコードがバックアップ・データベースから削除されるため、データは使用不能になります。このコマンドを使用すると、実際には必要のない期限切れのダンプのある磁気テープが再利用できるようになります。

ラベルに永続名を書き込む場合には、 -pname 引き数に 32 文字までの文字列を指定してください。 backup labeltape コマンドに -pname 引き数が指定されない限り、永続名は変更されません。磁気テープの内容や磁気テープ・ラベルの作成回数、磁気テープの再利用回数には関係ありません。この引き数は、-name 引き数とは一緒に使用できません。この引き数を指定すると、AFS 磁気テープ名は <NULL> に設定されます。この引き数が省略されており、永続名が存在していない場合は、永続名は <NULL> に設定されます。

発行者は、セル内で AFS のバックアップに使用している磁気テープと永続名が重複しないように検査しなければなりません。 backup コマンドは、永続名が重複している磁気テープがあるかどうか検査しません。磁気テープに永続名があると、バックアップ・システムは、プロンプトや backup コマンドの出力で AFS 磁気テープ名ではなく永続名を使用します。永続名は、backup readlabel コマンド出力の tape name フィールドに表示されます。

ラベルに AFS 磁気テープ名を書き込むには、 [オプション]セクションで解説されている要求形式で、 -name 引き数に値を指定してください。 -name 引き数は、 -pname 引き数と一緒に使用できません。この引き数を省略すると、AFS 磁気テープ名は <NULL> に設定されますが、この磁気テープが後で backup dump または backup savedb 操作で使用されると、バックアップ・システムはこの磁気テープに適切な名前を自動的に割り当てます。 AFS 磁気テープ名は、backup readlabel および backup scantape コマンド出力の AFS tape name フィールドに表示されます。

磁気テープに永続名があると、 backup コマンド・インタープリターは -name 引き数を受け付けません。磁気テープの永続名を削除する場合には、 -pname 引き数にヌル値を指定して、次のコマンドを発行してください。

   % backup labeltape -pname ""
   

ラベルに磁気テープの容量を記録する場合には、 -size 引き数に数値を KB 単位で指定してください。磁気テープに最初にラベルを作成するときに、この引き数を省略すると、バックアップ・システムは、テープ・コーディネーター・マシンの /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルに指定されているポート・オフセットのデフォルトに設定されている磁気テープ容量を記録します。次に -size 引き数を指定して backup labeltape コマンドを発行するまで、 size フィールドの値は保存されます。

backup dump または backup savedb 操作実行中に、磁気テープに書き込むことのできるデータ量を決定するために、テープ・コーディネーターは、磁気テープ・ラベルに記録されている容量を読み取ります (または、磁気テープにラベルがない場合には、 /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルに指定されているポート・オフセットに関連付けられている値を使用します)。詳しくは、 backup dump の解説ページを参照してください。

このコマンドを実行すると、デフォルトでは、テープ・コーディネーターは、ローカルの /usr/afs/backup/CFG_device_name ファイルの MOUNT 命令を呼び出して、最初の磁気テープにアクセスします。MOUNT 命令がない場合には、磁気テープの挿入をバックアップ操作員に要求します。ただし、 CFG_device_name ファイルに AUTOQUERY NO 命令があるか、あるいは butc コマンドが -noautoquery フラグ付きで発行されている場合には、テープ・コーディネーターは、磁気テープがすでに装置に挿入されているとみなします。そうでない場合、テープ・コーディネーターは MOUNT 命令を呼び出すか、操作員にプロンプトを出します。

オプション

-name
ラベルに記録する AFS 磁気テープ名を指定します。この引き数は、-pname 引き数と一緒に使用できません。この引き数を省略すると、AFS 磁気テープ名は <NULL> に設定されます。この引き数を指定する場合には、次の形式で指定してください。

   volume_set_name.dump_level_name.tape_index
   

backup dump 操作で将来使用可能な磁気テープの場合、 volume_set_name は、磁気テープの作成された初期ダンプのボリューム・セット名と一致し、 dump_level_name が、ボリューム・セットがダンプされたダンプ・レベルのパス名の最後の要素と一致していなければなりません。また、tape_index は、ダンプ・セット内での磁気テープの順序を示しています (索引は 1 から開始します)。このタイプの名前の検査を使用禁止にするには、 CFG_device_name ファイルに NAME_CHECK NO 命令を組み込みます。

将来 backup savedb 操作で使用できる磁気テープの場合には、 -name 引き数を次の形式で指定しなければなりません。

   Ubik_db_dump.tape_index
   

ここで、tape_index はバックアップ・データベースのダンプを格納している磁気テープ・ セットの順番を示します。

-size
ラベルに記録する磁気テープの容量を指定します。整数値の後に単位を示す文字を指定しください。数値と文字の間にはスペースを入れないでください。 k または K はキロバイトで、 m または M はメガバイト、 g または G はギガバイトです。単位を省略すると、デフォルトで KB が使用されます。

磁気テープに最初にラベルを作成するときに、この引き数を省略すると、バックアップ・システムは、テープ・コーディネーター・マシンの /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルに指定されているポート・オフセットの設定されている磁気テープ容量を記録します。最初に記録された値は、次に -size 引き数を指定してコマンドを発行するまで保存されます。

-portoffset
この操作で磁気テープを処理するテープ・コーディネーターのポート・オフセット番号を指定します。

-pname
ラベルに記録する永続名を指定します。最大 32 文字までの名前が指定できます。名前には英数字を使用することができます。シェルで特別な意味を持つメタ文字や、シェル・プロンプトのコマンドでリテラルに解釈されるマークは使用しないでください。

この引き数は、-name 引き数とは一緒に使用できません。この引き数を指定すると、AFS 磁気テープ名は <NULL> に設定されます。この引き数を省略すると、既存の永続名が保存されます。

-localauth
ローカルの /usr/afs/etc/KeyFile ファイルのキーを使用して、サーバー・チケットを構成します。相互認証の間、 backup コマンド・インタープリターは、バックアップ・サーバー、ボリューム・サーバーおよび VL サーバーにこのチケットを提供します。このフラグは、-cell 引き数と一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-cell
コマンドを実行するセルを指定します。この引き数は、 -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、backup の解説ページを参照してください。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

次のコマンドは、ポート・オフセット 3 の装置にある磁気テープのラベルに AFS 磁気テープ名 user.monthly.1 を記録しています。

   % backup labeltape -name user.monthly.1 -portoffset 3
   

次の 3 つのコマンドは同じ結果になります。これらのコマンドはすべて、ポート・オフセット 4 の装置にある磁気テープのラベルに、 2 GB の容量を記録します。また、AFS 磁気テープ名を <NULL> に設定し、永続名を変更していません。

   % backup labeltape -size 2g -portoffset 4
   % backup labeltape -size 2048M -portoffset 4
   % backup labeltape -size 2097152 -portoffset 4
   

必要となる特権

コマンドの発行者は、バックアップ・サーバーが実行されているすべてのマシン上の /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。また、-localauth フラグを使用する場合は、ローカル・スーパーユーザー root としてサーバー・マシンにログオンする必要があります。

関連情報

CFG_device_name

backup

backup readlabel

butc


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