管理解説書
目的
保留状態または実行中の操作を終了します。
構文
kill -id <job ID or dump set name> [-help]
k -i <job ID or dump set name> [-h]
構文
(backup) kill コマンドは、現在の対話式セッションで保留状態のバックアップ・システム操作を待ち行列から削除したり、実行中の操作を停止します。このコマンドは、対話モード以外では使用できません。
-localauth フラグと -cell 引き数の両方を付けて backup (interactive) が発行されている場合、これらの設定値は、このコマンドにも適用されます。
ダンプ操作を終了する場合には、ダンプ名 (volume_set_name.dump_level_name) またはジョブ ID 番号を指定してください。この番号は、(backup) jobs コマンドの出力に表示されます。他のタイプの操作を終了する場合には、ジョブ ID 番号を指定してください。
操作のタイプや現在の状況によって、操作終了後の結果が異なります。
- 操作がまだ保留状態の場合、テープ・コーディネーターは待ち行列の中からその操作を削除し、何も書き込みません。
- テープ・コーディネーターが終了信号を処理する前に操作が完了した場合、テープ・コーディネーターは操作の完了を確認するだけです。操作員は、必要なアクションを取って、間違った操作の結果をやり直す必要があります。
- 磁気テープ・ラベルの作成処理が実行中の場合には、テープ・コーディネーターが終了信号を受信しているかどうかによって結果が異なります。ラベル作成処理はアトミックなので、この処理は完了しているか、まだ開始していません。
backup readlabel コマンドを使用して、ラベル作成操作が完了しているかどうか判別し、必要であれば、
backup labeltape コマンドをもう一度発行して無効なラベルを上書きしてください。
- 磁気テープのスキャン操作が実行中の場合、
-dbadd フラグが backup コマンドに指定されていなければ、処理を終了し、何も書き込みません。この場合、おそらくバックアップ・システムが新規のバックアップ・データベース・レコードを書き込んで、走査済みの磁気テープにダンプを作成済みと思われます。スキャン操作の再始動を計画している場合には、まず、終了した走査で作成されたレコードを検出して削除してください。作成するデータが存在していると、その時点で backup scantape 走査が自動的に終了します。
- ダンプ操作の実行中の場合には、終了信号を受信する前に磁気テープまたはバックアップ・ファイルに書き込まれたボリュームは完全で、再使用可能です。操作を再開すると、バックアップ・システムは、すべてのダンプを最初から再実行し、新規のダンプ ID 番号を割り当てます。同じ磁気テープまたはファイルに新規のダンプを書き込む場合、中断したダンプの有効期限が切れていなければ、操作員がまずラベルの再作成を行わなければなりません。別の磁気テープまたはファイルに新規のダンプを書き込む場合、操作員は、中断したダンプに関連したダンプ・レコードを削除し、データベース内のスペースを解放することができます。
- 復元操作の実行中の場合には、完全に復元されたボリュームがオンラインになり、使用可能になります。ただし、通常、復元を完了するには複数の磁気テープのデータが必要になるので、多くのボリュームが完全に復元されることはあまりありません。バックアップ・システムが必要な磁気テープのすべてにアクセスする前に、終了信号を受信すると、各ボリュームは部分的に書き込まれるため、オンラインにはなりません。したがって、スクラッチから復元操作を再開したほうが不整合を回避することができます。
注意セクションも参照してください。
注意
復元操作には (backup) kill コマンドを使用しないようにしてください。バックアップ・システムが既存のボリュームを上書きしているときに、終了信号によって復元操作が中断すると、ボリューム全体が消失する可能性があります。
(つまり、復元前に存在していたボリュームの内容と、終了信号を受信する前に復元されていたデータの両方が消失する可能性があります。)
復元中のデータは磁気テープに存在しますが、永続的に消失したデータもあります。
オプション
- -id
- 終了するバックアップ操作を指定します。次のいずれかのタイプの値を指定します。
- 操作員のジョブ ID 番号。
(backup) jobs コマンドの出力に表示されます。
- ダンプ操作の場合、ジョブ ID 番号、または volume_set_name.dump_level_name の形式のダンプ名になります。ここで、volume_set_name はダンプされるボリュームの名前、
dump_level_name はボリューム・セットがダンプされるダンプ・レベルのパス名の最後の要素です。ジョブ ID 番号を指定して (backup) jobs コマンドを発行すると、ダンプ名が表示されます。
- -help
- このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。
例
次のコマンドは、ジョブ ID 5 の操作を終了しています。
backup> kill 5
次のコマンドは、 user.sunday1 というダンプ操作を終了しています。
backup> kill user.sunday1
必要となる特権
発行者には、操作の取り消しを開始できる特権が必要です。このコマンドは、操作が開始された対話式セッションでのみ発行可能なので、特権が必要になります。
関連情報
backup
backup interactive
backup jobs
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