管理解説書
目的
BOS サーバーがモニターするサーバー・プロセスを定義します。
構文
BosConfig ファイルは、基本 OverSeer (BOS) サーバーのサーバー・マシンでモニターするプロセスをリストします。これにより、マシンで実行される AFS サーバー・プロセスが定義されます。このファイルには、プロセス失敗時の BOS サーバーの動作が指定されています。また、パフォーマンス保守の一部として BOS サーバーがプロセスを自動的に再開する回数も定義されています。このファイルは、各 AFS サーバー・マシン上の /usr/afs/local ディレクトリーに常駐する必要があります。
BosConfig ファイルのサーバー・プロセスの項目には、次のような情報が記録されます。
- 項目タイプ。次のいずれかです。
- cron
- 連続的ではなく定期的に実行するサーバー・プロセスを表します。
BOS サーバーは、指定された時間にだけ cron プロセスを開始します。失敗したときにいつも開始するわけではありません。fs を除いて、標準 AFS プロセス項目はすべて simple です (標準 cron 処理はありません)。
- fs
- 相互に依存するサーバー・プロセスのグループを表します。プロセスの 1 つが失敗すると、BOS サーバーは、そのプロセスとグループ内の他のプロセスの再始動を調整しなければなりません。これにより、最初に他のプロセスを停止しなければならない場合もあります。
このタイプには、標準的な項目が 1 つ (基本的な名前は fs) しかありません。これは、次の 3 つのサーバー・プロセスを組み合わせています。ファイル・サーバー (fileserver プロセス)、ボリューム・サーバー (volserver プロセス)、およびサルベージャー (salvager プロセス) です。これらのプロセスはすべて、同じデータ (AFS サーバー・マシンの /vicep 区画に保管され、AFS ファイル・スペースにマウントされています) を操作しますが、操作方法は異なります。プロセスをグループ化すると、破損の原因となる同じデータへの同時アクセスを防ぐことができます。
通常の操作では、サルベージ・プロセスはアクティブになりません。ただし、ファイル・サーバー・プロセスが失敗すると、
BOS サーバーはボリューム・サーバーを停止して、失敗の原因となった破損を修正するために、サルベージ・プロセスを実行します。
(管理者は、bos salvage コマンドを発行して、サルベージ・プロセスを起動することができます。)
ボリューム・サーバーが失敗すると、BOS サーバーは、ファイル・サーバーを停止したり、サルベージャーを実行せずに、サーバーを再始動することができます。
- simple
- サーバー・マシンで他のプロセスと独立して実行されるサーバー・プロセスを表します。
simple プロセスが失敗しても、BOS サーバーは、他のプロセスとそのプロセスの再始動とを調整しません。
- 項目名。
BosConfig の基本的な項目名と関連付けされたプロセスは、バイナリー・ファイル名と一致します。
bos コマンドに -instance 引き数を付けて発行すると、各プロセスは BosConfig ファイルに使用された名前で識別されます。名前のリストについては、bos create 解説ページを参照してください。
- プロセスの状況フラグ。このフラグにより、
BOS サーバーはプロセスを開始するかどうかを決定します。開始する時期は、
BOS サーバー自身の再始動時と、プロセスの失敗時の 2 つがあります。
BosConfig ファイルには
BOS サーバーが必要に応じてプロセスの再始動を行うのか、またはプロセスをモニターしないのかがバイナリー表記で記述されています。説明を分かりやすくするために、AFS のマニュアルでは、このフラグを Run および NotRun で表します。このフラグが変更できるのは BOS サーバーではなく、システム管理者だけです。
- BOS サーバーがこの項目に関連したプロセスを開始するために呼び出す 1 つ以上のコマンド・パラメーター。
- cron 項目には、2 つのコマンド・パラメーターがあります。最初のパラメーターはプログラムへの完全パス名で、
2 番目のパラメーターは BOS サーバーがこのプログラムを呼び出す時刻です。
- fs 項目には、3 つのコマンド・パラメーターがあります。各パラメーターは、fileserver、volserver、および salvager プログラムへの完全パス名で、この順で指定します。
- simple 項目には、1 つのコマンド・パラメーターしかありません。プログラムへの完全パス名だけです。
サーバー・プロセス項目のほかに、BosConfig ファイルには、
BOS サーバーが 2 つのタイプの自動プロセスを再始動する時刻が指定されています。
- 一般的な再始動 時刻。BOS サーバーは自動的に再始動し、次に BosConfig ファイル内の項目の状況フラグが Run のプロセスを再始動します。デフォルト設定は日曜日の午前 4 時です。
- バイナリー再始動時刻。BOS サーバーは、
/usr/afs/bin ディレクトリーのバイナリー・ファイルのタイム・スタンプがプロセスの最後の再始動時刻よりも後になっているサーバー・プロセスを再始動します。デフォルトは午前 5 時 00 分です。
BosConfig ファイルは ASCII 形式ですが、テキスト・エディターで更新しないでください。この形式は変更することができますが、項目を間違った形式にしてしまうと、サーバーが起動しなくなり、その診断が難しくなることがあります。編集する場合には、次のように、
bos コマンド・セットから適切なコマンドを使用してください。
- bos create コマンド。ファイルに項目を作成し、関連するプロセスを開始します。
- bos delete コマンド。
bos stop コマンドを使って関連するプロセスを停止した後、ファイルから項目を削除します。
- bos getrestart コマンド。BOS サーバーが自動再始動を実行する時間を表示します。
- bos setrestart コマンド。BOS サーバーが自動プロセス再始動を実行する時間を設定します。
- bos start コマンド。項目の状況フラグを Run に変更して、関連するプロセスを開始します。
- bos status コマンド。ファイルにリストされているすべてのプロセスを表示します。
- bos stop コマンド。項目の状況フラグを NotRun に変更し、関連するプロセスを停止します。
また、BosConfig ファイルの項目を変更せずに、プロセスを開始または停止する bos コマンドもあります。
BOS サーバーは、開始時にだけ BosConfig ファイルを読み込み、情報をそのメモリーに転送します。したがって、BOS サーバーのメモリー内のプロセスの状況は
BosConfig ファイルの内の状況とは異なる場合があります。次のコマンドは、BOS サーバーのメモリー内のプロセスの状況のみを変更します。
- bos restart コマンドは、指定されたプロセスのセット、すべてのプロセス、または BOS サーバー以外のすべてのプロセスを再始動します。
- bos shutdown コマンドは、プロセスを停止します。
- bos startup コマンドは、プロセスを開始します。
関連情報
bos create
bos delete
bos getrestart
bos restart
bos setrestart
bos shutdown
bos start
bos startup
bos status
bos stop
bos salvage
fileserver
salvager
volserver
[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]
(C) IBM Corporation 2000. All Rights Reserved