管理解説書

tapeconfig

目的

磁気テープ・コーディネーター・マシン上のすべての磁気テープ装置およびバックアップ・データ・ファイルの構成パラメーターを定義します。

構文

tapeconfig ファイルには、磁気テープ・コーディネーター・マシン上でバックアップ操作に使用できるすべての磁気テープ装置またはバックアップ・データ・ファイルの構成パラメーターが定義されています。このファイルは、ASCII 形式で、ローカルの /usr/afs/backup ディレクトリーにあります。各磁気テープ装置またはバックアップ・データ・ファイルの命令は、次の形式で、 1 行に 1 命令ずつ記録されています。

   [capacity    filemark_size]    device_name    port_offset
   

ここで、

capacity
磁気テープ装置で使用される磁気テープの容量、またはバックアップ・データ・ファイルに書き込まれる総データ量を指定します。磁気テープ・コーディネーターは、この値を次の 2 つの状況で使用します。

磁気テープ・コーディネーターは、この容量値またはバックアップ・システムのテープ・ラベルの容量値を使用して、データを磁気テープまたはバックアップ・データ・ファイルに書き込みながらスペースの残量を追跡します。磁気テープに記録するための適切な値は、通常装置で使用される磁気テープのサイズと、圧縮モードが備わっているかどうかによって異なります。推奨値は、バックアップ・システムの構成に関する章 AFS 管理の手引き を参照してください。 fms コマンドで取得した値を使用する場合は、それをファイルに記録する前に、その値を 10% 〜 15% 小さくしてください。

バックアップ・データ・ファイルの場合、磁気テープ・コーディネーターが予期せずにファイル終わり (EOF) になるのをさけるのに役立つ値を指定します。ダンプ操作の開始時にファイルを格納している区画で使用可能なスペース・サイズよりも少なくともいくらかは小さくしてください。オペレーティング・システムが許可している最大ファイル・サイズよりも大きくすることは決してしないでください。

整数 (正の) または 10 進数値の後に、単位を表す文字を指定してください。数値と文字の間にはスペースを入れないでください。10 進数の小数点以下の桁数は、バイトの小数部に変換しないでください。最大容量は 2048 GB (2 TB) です。使用できる単位は次のようになります。文字を省略すると、デフォルトで KB 単位になります。

このフィールドを省略すると、磁気テープ・コーディネーターは最大許容値 (2048 GB すなわち 2 TB) を使用します。このフィールドと filemark_size フィールドの両方を空にするか、両方に値を指定してください。

filemark_size
装置製造元が設定した磁気テープ装置のファイル・マーク (ファイル終わりまたは EOF マーク) のサイズを指定します。磁気テープにダンプする場合、磁気テープ・コーディネーターは各ボリューム・データの境界にファイル・マークを挿入するので、ファイル・マークのサイズによって、実際のデータに使用できるサイズが異なります。

磁気テープに記録するための適切な値は、通常装置で使用される磁気テープのサイズと、圧縮モードが備わっているかどうかによって異なります。推奨値は、バックアップ・システムの構成に関する章 AFS 管理の手引き を参照してください。 fms コマンドで取得した値を使用する場合は、それをファイルに記録する前にその値を 10% 〜 15% 大きくしてください。

バックアップ・データ・ファイルの場合、値 0 (ゼロ) を記録してください。磁気テープ・コーディネーターは、バックアップ・データ・ファイルのこのフィールドを無視しますが、これは、磁気テープ・コーディネーターがファイルに書き込むときに、ファイル・マークを使用しないためです。

capacity フィールドと同じ表記を使用します。ただし、デフォルトの単位は、キロバイトではなく、バイトですので注意してください。最大容量は 2048 GB です。

このフィールドが空の場合、磁気テープ・コーディネーターは 0 (ゼロ) を使用します。このフィールドと capacity の両方を空にするか、両方に値を指定してください。

device_name
磁気テープ装置またはバックアップ・データ・ファイルの完全なパス名を指定します。磁気テープ装置の名前の形式は、オペレーティング・システムによって異なりますが、UNIX システムでは、装置名は一般に文字列/dev/ で始まります。バックアップ・データ・ファイルの場合、このフィールドには完全なパス名を定義します。命名規則の説明については、CFG_device_nameFILE 命令のセクションを参照してください。

port_offset
磁気テープ・コーディネーターおよび磁気テープ装置またはバックアップ・データ・ファイルの組み合わせに関連したポート・オフセット番号を指定します。

指定できる値は、整数の 0 から 58510 までです (バックアップ・システムは、最大 58,511 ポート・オフセット番号を記録できます)。それぞれの値は、セルの磁気テープ・コーディネーターごとに固有でなければなりません。また、これらの番号は、単一マシンに関連していなければなりません。ポート・オフセット番号は連続して割り当てる必要はなありません。 tapeconfig ファイルでは、任意の順序で並んでいます。バックアップ操作によく使用する磁気テープ装置またはバックアップ・データ・ファイルの磁気テープ・コーディネーターに、ポート・オフセット 0 を割り当ててください。これにより、操作員は backup コマンドの可能な最大番号から -portoffset 引き数を省略することができます。

必要となる特権

このファイルを作成するには、/usr/afs/backup ディレクトリーに対する UNIX の w (書き込み) と x (実行) アクセス権が必要です。このファイルを編集するには、そのファイルに対する UNIX の w (書き込み) 権が必要です。

次の tapeconfig ファイルは、3 つの磁気テープ装置およびバックアップ・データ・ファイルを構成しています。最初の装置の名前は、/dev/rmt/0h で、ポート・オフセット 0 が割り当てられています。これは、セルのすべてのバックアップ操作で最も頻繁に使用されるためです。デフォルトの磁気テープ容量は 2 GB で、ファイル・マーク・サイズは 1 MB です。 /dev/rmt/3h ドライブはこの容量の半分ですが、ファイル・マーク・サイズはそれよりもかなり小さくなっています。また、このドライブのポート・オフセットは 3 です。 3 番目の装置は /dev/rmt/4h で、最初の装置と同じ容量とファイル・マーク・サイズを持っています。この装置には、ポート・オフセット 2 が割り当てられています。ポート・オフセット 4 は、バックアップ・データ・ファイル /dev/FILE に割り当てられています。これは、実際にはローカル・ディスク上に実際に存在するファイルへのシンボリック・リンクです。磁気テープ・コーディネーターは最大 1.5 GB までファイルに書き込み、ファイル・マーク・サイズは 0 に設定されます。

   2G 1M /dev/rmt/0h 0
   1g 4k /dev/rmt/3h 3
   2G 1m /dev/rmt/4h 2
   1.5G 0 /dev/FILE 4
   

関連情報

backup addhost

backup dump

backup labeltape

backup savedb

butc

fms


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