目的
磁気テープの容量および磁気テープ装置のファイル・マーク・サイズを判別します。
構文
fms -tape <tape special file> [-help]
fms -t <tape special file> [-h]
構文
fms コマンドは、-tape 引き数に指定された磁気テープ装置の現在の磁気テープの容量と装置のファイル・マークのサイズを判別します。ファイル・マークは、装置のファイル終端 (EOF) マーカーともいい、磁気テープおよび磁気テープ装置の各組み合わせによって異なります。
磁気テープ・コーディネーターは、ダンプを書き込むときに、各ボリュームのデータの境界にファイル・マークを書き込み、磁気テープの終端 (EOT) のすぐ左に、総容量を記録します。磁気テープ装置によっては、磁気テープ・コーディネーターが使用可能なスペースを判別できないほど大きなファイル・マーク (数 MB) が書き込まれている場合もあります。
このコマンドを意図的に使用するということは、 /usr/afs/backup/tapeconfig ファイルにあるテープ装置の項目で指定できる、テープ容量とファイル・マーク・サイズの値を決定することです。テープ・ドライブの一定のタイプでは、 tapeconfig ファイルが正確な値をリストすると、テープ・コーディネーターはより効果的に機能します。詳細については、バックアップ・システムの構成に関する AFS 管理の手引き の章を参照してください。
コマンドを発行する前にドライブに磁気テープを挿入してください。
注意
このコマンドは、圧縮モードで圧縮しているテープ装置で、または、マルチギガバイト (またはマルチテラバイト) の容量のテープを処理するテープ装置と一緒に使用しないでください。このような場合には、正確な結果が得られません。圧縮ドライブ用の tapeconfig ファイルに記録する値についてのヒントは、AFS 管理の手引き のバックアップ・システムの構成に関する章を参照してください。
コマンドが完全に実行されると、磁気テープは上書きされ、空きのテープになる場合も、再利用される場合もあります。
ファイル・マークを磁気テープの全体に書き込むと、完了するまでに、数時間から 1 日かかります。
オプション
出力
このコマンドは、標準出力ストリームと、現行作業ディレクトリーで作成される fms.log ファイルの両方に出力を生成します。この出力には、装置の中の磁気テープの容量および装置のファイル・マーク・サイズが記述されます。
出力の最初の数行には、ブロック数の情報およびコマンドによって磁気テープに書き込まれたファイル・マークの数など、コマンドの実行についての状況情報が示されます。画面およびファイル出力の最後の 2 行には、以下のような情報が示されます。
次のメッセージは、fms コマンド・インタープリターが磁気テープ装置にアクセスできないことを示しています。コマンドは停止します。
Can't open tape drive device
次のメッセージは、コマンド・インタープリターが fms.log ログ・ファイルを作成できないことを示しています。再度、コマンドは停止します。
Can't open log file
例
次のコマンドは、/dev/rmt1h と呼ばれる装置への出力を表しています。
% fms /dev/rmt1h wrote block: 130408 Finished data capacity test - rewinding wrote 1109 blocks, 1109 file marks Finished file mark test Tape capacity is 2136604672 bytes File marks are 1910205 bytes
次の例は、fms.log ファイルの内容です。
fms test started wrote 9230 blocks Finished file mark test Tape capacity is 151224320 bytes File marks are 2375680 bytes
必要となる特権
fms.log ファイルが存在していない場合、発行者は現在の作業ディレクトリーにあるファイルに対する挿入および書き込みが許可されていなければなりません。既に存在している場合には、書き込み許可だけでかまいません。
関連情報