管理解説書

runntp

目的

ネットワーク時刻プロトコル・デーモンの初期化を行います。

構文

runntp [-localclock] [-precision <small negative integer>]  
       [-logfile <filename for ntpd's stdout/stderr>]  
       [-ntpdpath <pathname of ntpd executable (/usr/afs/bin/ntpd)>]  
       [<host>+] [-help]

このコマンドは、AFS コマンド・セットの構文規則に準拠していません。コマンド名およびすべてのオプション名は省略せずにすべて指定してください。

構文

runntp コマンドは、ネットワーク時刻プロトコル・デーモン (NTPD) および、ローカル・マシン上の関連プログラムを初期化し、 ntp.conf 構成ファイルを構成します。これは、AFS ファイル・サーバー・マシン上で、標準の ntpd プログラムに対する、最適なインターフェースとして使用することを目的としています。

従来の構成では、このコマンドのバイナリー・ファイルは、ファイル・サーバー・マシンの、 /usr/afs/bin ディレクトリーにあります。このコマンドは、通常はコマンド・シェル・プロンプトでは発行されず、 bos create コマンドを使用して、ファイル・サーバー・マシンの、 /usr/afs/local/BosConfig ファイルに入れられます。コマンド・シェル・プロンプトで発行する場合は、発行者はローカル・スーパーユーザー root として、サーバー・マシンにログオンする必要があります。

注意

NTPD または他の時刻プロトコルがすでにセル内で使用されている場合は、 runntp プログラムを実行しないでください。時間同期プロトコルを 2 重に実行すると、エラーの原因になる場合があります。

オプション

-localclock
この引き数を使用すると、コマンド行にリスト表示された他のソース・マシンとローカル・マシンが、ネットワーク区画上分離している場合に、可能な時間ソースとしてローカル・マシンの内部クロックが使用されます。外部のネットワークに接続されていない、またはファイアウォールの外側にあるセルの場合は、 runntp プロセスを実行するすべてのマシンに、このフラグを組み込んでください。外部ネットワークへのアクセスが、切断される頻度の高いセル (故意に切断する場合も含む) では、システム・コントロール・マシン上で、 runntp プロセスを実行している場合にのみ、このフラグを組み込みます。セルが外部ネットワークと正常に接続している場合には、このフラグは使用しないでください。

-precision
ローカル・クロックの精度を指定します。通常、この引き数は指定しません。 ntpd プロセスは初期化するときに、それ自身でローカル・クロックの精度を判別します。この引き数を指定する場合は、負を意味するハイフンの付いた短整数を指定してください。この値は、値 2 の指数として使用されます。また、結果は周波数として解釈され、秒の小数部でローカル・クロックが作動します。

たとえば、-6 の値は、 2-6、すなわち 1/64 に変換されます。これは、ローカル・クロックが 1/64 秒ごとに 1 回作動すること、つまり毎秒約 60 ティックの精度があることを意味します。 -7 の値は、毎秒約 100 ティックに変換されます。 -10 の値は、毎秒約 1000 ティック (ミリ秒クロック) に変換されます。

-logfile
/usr/afs/logs/ntp.log のように、 NTP デーモンのログ・ファイルがあるローカル・ディスクのパス名を指定します。このログには、時間ソースおよびピアとして機能しているマシン、ドリフトを削減するために行われている調整などが記録されます。 ntpd プロセスのデバッグ機能を使用すると、生成される情報量を制御することができます。この引き数を省略すると、情報は廃棄されます。

-ntpdpath
ntpd プログラム用バイナリーの、ローカル・ディスクのパス名を指定します。この引き数を省略した場合、デフォルトは /usr/afs/bin/ntpd です。

host
時間ソースとして参照するマシンの完全修飾ホスト名を指定します。規約により、外部ネットワークにアクセス可能である場合は、マシンはセルの外側になります。

一般に、この引き数が必要になるのは、システム・コントロール・マシンのみです。発行者がこの引き数を省略すると、ローカル・マシンは、 /usr/afs/etc/CellServDB ファイルのコピーにリストされた、ローカル・データベース・サーバー・マシンを参照します。

適切な時間ソースを選択する方法については、AFS インストールの手引き を参照するか、または AFS 製品サポート担当者までお問い合わせください。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

必要となる特権

シェル・プロンプトでコマンドを発行するためには、発行者はファイルのサーバー・マシン上でローカル・スーパーユーザー root としてログインする必要があります。通常は、bos create コマンドを発行して、プロセスの作成および開始を行います。

関連情報

bos create

UNIX マニュアルの ntp のページ

UNIX マニュアルの ntpd のページ

UNIX マニュアルの ntpdc のページ


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]



(C) IBM Corporation 2000. All Rights Reserved