設計という観点から、この映画を見ると、「お話」という面がいくつか見え
てきます。先ず、地球外の知的生命体から高度な科学技術を元にした物質転送
機、あるいは次元旅行機の設計図が送られてきます。これを地球の科学者、技術者が簡単に作り上げてしまうのですが、この辺りはCaptain
Future 並みに省略が 激しいので楽しいですね。このくらい、巨大プラントが簡単にできると楽だろうな
あ。しかも、動作目的も分からずに。設計というのは、共有する技術の基盤があ
って初めて可能になるはずで、この辺りは原作者が技術者でない、あるいは、こ
れについて書いているときりがないという事情なのでしょうか。しかし、A.C.
Clerk,Asimov,やJ.P.Hoganはこの辺りの感覚が優れていて、バランス良く技術を
テーマとして取り入れていたり、技術そのものを中心テーマにする能力がありま
す。また、技術のTransferという目で見るとき、これは、技術先進国と途上国の関係を
連想させます。
おかしいのは、1号機がテロで起動中に壊されたあと、2号機を隠密裏に日本の技術で北海道に建設するという設定です。日本の技術にたいしては、一種のMisticismをアメリカ人は感じているのでしょうか。それにしても、神棚と一重の白装束はなんとかならないものだろうか。切腹じゃないんだから。
もうひとつおかしいのは、出てくるテレビ電話がNetscape Communicator でブラウザの中でPlug-in
で話しをするというものでした。なるほど、こうやって使うんだなという宣伝には格好です。観客はみんなnescapeの画面に見覚えがあるので印象にのこる1シーンでした。"Lost
World"はBenz社の新型バンの宣伝でしたし、最近は消費者もうかうかしていられません。
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