MIT 便り
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update 12:00 Oct.23,1998
Hiroshi
Sakuta
MIT,77 Massachusetts Ave.
Room :1-380,
Tel :+1-617-253-8925
1.MITとはどんなところか
2.Boston Scene
3.研究内容
4.個人的な話題
ZIP(Feb. 23, 1998)
New England の秋(画像多しご注意)(Oct.13,1997)
Life with Check(Aug.29,1997)
Netmeeting(July,22,1997)
CONTACT(July 12,1997)
Independence Day(July 4,1997)
Bob Metcalfe の講演(June 26,1997)
気候(June 20,1997)
通学(June 18,1997)
自宅
訪問者
人物
1.MITとはどんなところか?
まず風景から、本館全体はこんな様子です。一番下にCharles
river が見えますが、それに面したCivil & Environmental Engineering 学科に在籍しています。私の部屋は3階で、窓からは中庭が見えます。Charles
river は冬には凍結するそうですが、いまはゆったりと河口近くをMemorial Drive
と Straw Drive という道路に挟まれて流れています。夕方には、私の部屋の前の教室越しに川風が吹込んできます。本館正面はMassachusetts
Avenue に面しており(Massachusetts と Ave の間のブランクのあたり)、イオニア風の柱で飾られています。
卒業するための条件
合衆国の理科系の大学学部および大学院は、semester制をとっており、半期の間にある科目について全て終了します。1科目当たり12単位というのが標準だそうですが、学部卒業までに30科目約400単位を取得する必要があります。大学院は7、8科目約80単位となります。ただ、日本と違うのは、卒業論文、修士論文の扱いです。こちらでは、講義演習に重点が置かれているため、卒業論文をパスして進学する場合もあります。
いろいろ評価は分かれますが、日本の理科系の学生の方が科目数や卒業論文の負担で大変かもしれません。
Kerberos
MITは、Network技術では、Kerberosによるセキュリティで知られています。もちろん、他の、X-Window
や、Athena Project, ADINA などのsoftwareでも有名ですが、当面関係の深いKerberosについてのエピソードを一つ。
Kerberosは通常のEthernet上のPacketにticketを付け、その有効範囲と期限で到達範囲を制限するもので、セキュリティ技術のひとつとして使われているそうです。(日本での読みかじり)
私がこちらで必要な環境は、通常のLAN接続とDialup接続の連続性、日本語/英語環境の連続性、POP/SMTPによるemailの読み書きなどですが、このKerberosのおかげで、殆どが不可能であることが分かりました。Kerberosの支配下では、唯一Eudora(もちろん英語版、MITが手を入れている)がPC用のemail
client として使えるのだそうです。従って、今後も、現在通り、日本のプロバイダあるいは、日本のPOP/SMTPサーバを利用することになりそうです。なお、Kerberosは合衆国外への輸出制限品目です。
2.Boston Scene
Bostonの案内は、ホームページをみるのが便利です。
2.1 Universities
HarvardやBoston Universityなど総合大学の他、Pops,Jazの大学として有名なBerklee
Collegeなど色々な大学がごく狭い地域に集まっています。
HarvardはUKのCambridgeをモデルにしたそうで、よく似た雰囲気の町の造りです。Charles
river を挟んで寄宿舎と校舎と商店などが並んでいます。
2.2 Music
小沢征爾が1973年から音楽監督を勤めている、BSO(Boston
Symphony Orchestra) がもっとも有名ですが、同じBoston Symphony Hall で交代に公演しているBoston
Pops Orchestra も、先日、日本公演旅行に行ったそうですから、聞いている方は多いかもしれません。夏は高地の Tanglewoodというところで音楽祭があるそうです。
2.3 Museum
博物館、美術館というとBostonで真っ先に思い浮かべるのはBoston Fine Art Museum(ボストン美術館)です。岡倉天心とフェノロサはどの歴史の教科書にも載っていますから、私にもおなじみになっています。日本美術のコレクションで有名ですが、それは一部で、エジプト古代美術から現代美術までいろいろ展示してあります。西翼の裏には天心園という日本庭園が岡倉天心の功績を伝えています。
館内の日本展示室にはいると、よく空調が効いていて、管理が行き届いています。しかし、何かがにおいます。日本の匂いなのですが。。。。多分それは、漆喰やかびのの匂いの混ざったものなのでしょう。古い木造の家に入ると感じる懐かしい(日本人にとってはですが)匂いです。湿り気と匂いのこもった日本空間をここに見つけることができました。
博物館の類は、大学の町だけあって大変多く、MITのScience Museum も知られています。まだいっていません。
3.研究内容
http://web.mit.edu/hsakuta/www/
をご覧ください。
4.個人的な話題
CONTACT(July 12,1997)
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Karl Sagan 原作で、Jodie Foster 主演の映画が封切りになり、早速見に行きました。原作がFirst
Contact 物としては面白かったので、Harvard Square のSONY Theater に映画案内を見てすぐに飛び込みました。最近のHollywood映画は、技術的には本当に進んでいて、SFXも現実と見分けがつかないほどで、没入感は楽しめます。内容も、Spilbergのお子様向けよりはやや高度で、一応鑑賞できます。Mars
Path Finder が火星到着直後というタイミングと、火星の地名に、最近亡くなった著者の名前をつけたという話題性もあって、珍しく満員の館内です。Jodie の演技がちょっと思い入いれが勝ちすぎて(そういう個性の俳優ですから)、うまいんだけどなあ。。。USAのSF映画の古典である2001
Space Odyssey を連想させる後半のContact場面ですが、あまりいってしまうと「ばらし」になってしまいますからこの辺りでやめておきます。"Lost
World" よりはお勧めです。日本での館内とは違って、歓声をあげたり、拍手したりという雰囲気です。面白かったのは、主人公の女性科学者が、MITの卒業で、Harvardで教えていたという風に報道されるとき、拍手が数箇所で起こったことです。
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もし、内容が分かると自分が見るときに困るという方は、ここから先は、見てから後で読んでください。
Independence Day(July 4,1997)
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独立記念日は全米で盛大なお祭りになると聞きましたが、Bosotnでも大騒ぎです。
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夕方6:30ころから、大学の私の部屋の前の、Charles river両岸に次第に人が集まりはじめ、Boston
Popsの演奏が始まる20:00近くなると、普段はFreewayの様に車が行き来しているMemorial
Driveを人波が埋め、立っている場所も無いほどです。
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Bosoton Popsの演奏と花火というともっと地味なものかとおもったら、最初からびっくりする出し物でした。Stealth戦闘機が目の前を飛んでいるのをみるのも始めてでしたが、超低空を翼を振って挨拶したのにはみんな大喜びで、思わず拍手してしまいました。Ladarに見えないStealthですが、エンジン音も大変静かで、超低空にも関わらず、プロペラ機より静かなので、最初は、大きな凧のようにもみえました。冷戦の終結で、こういう場所にしか仕事がなくなったのは大変結構なことです。演出も大変凝っていて、最初にコクピットとの通信を聞かせておいて突然予告無しに現れ、あっという間に目の前を通り過ぎる。そのあとで、「もう一度みたい?」と聞く念の入れ様で、2回みせてくれました。
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ながながと書きましたが、Openingの演出でまあかなり観客の心をつかんだということです。
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演奏の方は、Boston Popsが市民に愛されていることがよく分かりました。Boston
Symphony OrchestraがClassic に専念しているのに比べ、Popsのほうは、気軽になんでも演奏してくれるという感じです。なかでも、John
Williamsが主席指揮者だったこともあり、"Star Wars","Superman"を演奏してくれたのはちょっと得をした気分になりました。さらに、今年は、Sousaが
"The Stars and Stripes Forever"を、Boston popsによって、始めて演奏してからちょうど100年ということで記念に演奏してました。
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花火の方は、日本の花火技術に比べると質、量で及びませんが、Boston
Popsの演奏と見事に同期させ、それぞれの曲の趣向で同じ物を繰り返さないため、十分楽しめました。マルチメディアで押してくる迫力はさずがにまだ日本は及ばないなと感じます。Softwareの業界にも通じるAnalogyかも知れません。
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20:00に始まった演奏も22:30にはあっさり終わり、ごった返す帰り道は、世界中どこに行っても変わりません。私もバスの遅れで、家に帰り着いたら、0:00を回っていました。この独立記念日が夏休みの始まりなのだそうです。
Bob Metcalfe の講演(June 26,1997)
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6/26 Metcalfe
の講演会がMIT Kresge Auditrium で開かれました。約200人の聴衆で、知名度に比べて少ないなと思っていたら、Tront、San-Franciscoなど6会場で中継していたのだそうです。題目は、Ethenet
の父らしく "Intenet Future" でした。「Internetの破綻する10の理由」という予言で日本でも一昨年から知られていましたが、逆説的な言葉とは違って、大変講演のうまい人物でした。今年からMITのAlumni
という組織(卒業生の組織)のPresidentになるそうです。XeroxのPARC(Palo Alto
研究所)でEthernetの開発に携わったことで知られていますが、卒業はMITなのだそうです。講演の中で、印象に残った言葉は、1)光ファイバ 2)Network
Computer 3)Java がこれからの鍵を握る(Wintelを茶化していましたが、大き過ぎるものは嫌いのようです)ということばと、"
Wire up you home, and stay there." というこれまた、Movile computer をからかうような言葉でした。電話会社をStar
warsの帝国に例え、Death star をつぶそうなどと、電話会社が聞いたら魂消そうなことを言ってもいました。
気候(June 20,1997)
こちらは、真夏の日差しと気温です。30℃を超える日が多く、大学ではAir
conditioner を入れるほどです。真冬は−20℃までいくそうですから、気温差は50℃です。
夕立も多く、雨量は豊富で、水道水も上質です。
通学(June 18,1997)
毎日、2回PC、ZIP、CD−ROMを組み立て、運んでいます。バス通勤なので
大分鍛えられます。通り道に、Harvard squareというところがあって、夕方、summertime
を、chessで楽しんでいる老若男女が一杯います。chess clockを叩き合って、時間切れ
で悔しそうに席を立つ若者など、微笑ましい光景です。
通学は、バスの乗り継ぎです。車をまだ買っていないので、往復は乗車1回60Cent のバスで4、50分かかります(車なら15分、東京での環境とよく似ています)。途中にGolf場があって、当たり前ですが、随分すいてます。
バスは、月極$20で定期券が買えます。が、月初めと終わりの各4日間しか販売していません。それを逃すと、毎日小銭の心配をしながら暮らさなければいけません。60Centsは、Quarter(25C)2枚とDime(10C)1枚で払うか、Quarter(25C)2枚と5C2枚で払わないと、財布に入りきらないほどの小銭になりますから、Quarterにしてできるだけ持っていないととても不便です。バスはお釣はくれませんが、$1札で払ってもかまいません。お釣の40Centsが悔しければ、小銭に注意してもっていましょう。
自宅
Belmontに借りている自宅の外観です。夏の日よけで遠くからでも分かります。全部でなくて1階部分だけです。2階には、日本系のマレーシアの方が住んでいます。Belmontは治安がいいので、人気があるそうです。
訪問者
人物
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永原政明さん:
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住宅や家具の購入、運搬その他で大変お世話になっています。Boston日本人会の幹事役も務めていらっしゃいます。