管理解説書

upclient

目的

更新サーバーのクライアント部分を初期化します。

構文

upclient <hostname>  [-crypt]  [-clear]  [-t <retry time>]
         [-verbose]*  <dir>+  [-help]

このコマンドは、AFS コマンド・セットの構文規則に準拠していません。コマンド名およびすべてのオプション名は省略せずにすべて指定してください。

構文

upclient コマンドは、更新サーバーのクライアント部分を初期化します。通常の構成では、バイナリー・ファイルはファイル・サーバー・マシンの /usr/afs/bin ディレクトリーにあります。

upclient コマンドは、通常はコマンド・シェル・プロンプトでは発行されず、ファイル・サーバー・マシンの /usr/afs/local/BosConfig ファイルに bos create コマンドと一緒に記述されます。このコマンドがすでにコマンド・シェル・プロンプトで発行されている場合には、発行側は、ローカル・スーパーユーザーのルート (root) として、データベース・サーバー・マシンに必ずログオンしています。

upclient プロセスは、dir 引き数で指定した各ローカル・ディレクトリーのファイルすべてが、 hostname 引き数が指定した送信元マシン上の対応するディレクトリーのファイルと一致するかを定期的に検査します。ファイルが一致しない場合、 upclient プロセスは、送信元マシン上で実行中の upserver プロセスからソースをコピーするよう要求します。

デフォルトで、米国版の AFS の upclient プロセスは、upserver プロセスがデータを暗号形式に処理してから転送するよう要求しますが、国際版の場合は、データを非暗号形式で転送するよう、要求します。米国版を使用する場合は、 -clear フラグを指定して、非暗号形式の転送を要求します。 (-crypt フラグは、米国版のデフォルトを明示的に設定するため、国際版では使用できません。)

標準の構成では、upclient プロセス要求データのインスタンスを、/usr/afs/bin および /usr/afs/etc ディレクトリーから分離します。ただし、システム・コントロール・マシンが、そのマシンのシステム・タイプのバイナリー配布マシンである場合は除きます。分離するインスタンスの通常名は、それぞれ upclientbin および upclientetc です。

upclient および upserver プロセスは、転送されるデータのが暗号化されているかにかかわらず、相互に認証されます。 /usr/afs/etc/KeyFile ファイルの最も高いバージョンのキーを使用して、相互認証のサーバー・チケットを構成します。

注意

国際版 AFS を使用する場合は、更新サーバーを使用して /usr/afs/etc ディレクトリーの内容を配布しないでください。ディレクトリーの内容は機密で、国際版の AFS には、ネットワーク側に転送する前にファイルを暗号化する暗号化ルーチンがありません。

オプション

hostname
セルのシステム・コントロール・マシン (要求されたディレクトリーが /usr/afs/etc の場合)、またはローカル・マシンの CPU および オペレーティング・システム・タイプのバイナリー配布マシン (要求されたディレクトリーが /usr/afs/bin の場合) のいずれかを指定します。

-crypt
upserver プロセスからのデータが、暗号化形式で転送されることを要求します。米国版の AFS では、このフラグを使用して、デフォルトを明示的に設定してください。このフラグか、-crypt フラグのいずれかを使用してください。両方は指定できません。

注:このフラグは、国際版の AFS では使用できません。

-clear
upserver プロセスからのデータが、非暗号化形式で転送されることを要求します。米国版の AFS デフォルトを変更する場合には、このフラグを使用してください。このフラグか、-crypt フラグのいずれかを使用してください。両方は指定できません。

-t
指定されたディレクトリーの変更の検査頻度を秒数で指定します。この引き数を省略すると、デフォルトは 300 (5 分) になります。この引き数によって、送信元マシンの変更がこのマシンに送信されるまでの最大総時間が決まります。

-verbose
通常はマシン・コンソールに応答する、upclient プロセスの操作のトレースを標準出力ストリームに書き込みます。フラグの 1 つ、2 つ、または 3 つのインスタンスを提供します。インスタンスが追加されるごとに、さらに多くの詳細メッセージを生成します。

dir
ファイルの変更を検査するディレクトリーを指定します。通常は次の選択肢があります。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

次の bos create コマンドは、 fs4.abc.com マシン上に upclientbin プロセスを作成します。このマシンは、マシン fs1.abc.com/usr/afs/bin ディレクトリーのソースとして参照します。(したがって、fs1.abc.com は、fs4.abc.com のタイプのバイナリー配布マシンです。) /usr/afs/bin ディレクトリーのファイルは、120 秒ごとに配布されます。このコマンドは、非暗号化形式での転送を要求しています。

   % bos create  -server fs4.abc.com -instance upclientbin -type simple   \
                 -cmd "/usr/afs/bin/upclient fs1.abc.com -clear  \
                 -t 120 /usr/afs/bin"
   

必要となる特権

シェル・プロンプトでコマンドを発行するためには、発行者はファイルのサーバー・マシン上でローカル・スーパーユーザー root としてログインする必要があります。通常は、bos create コマンドを発行して、プロセスの作成および開始を行います。

関連情報

BosConfig

bos create

upserver


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