管理解説書

vos move

目的

読み取り / 書き込みボリュームを別のサイトに移動します。

構文

vos move -id <volume name or ID>  -fromserver <machine name on source> 
         -frompartition <partition name on source> 
         -toserver <machine name on destination>  
         -topartition <partition name on destination> 
         [-cell <cell name>]  [-noauth]  [-localauth]  [-verbose]  [-help] 
    
vos m -i <volume name or ID>  -froms <machine name on source> 
      -fromp <partition name on source>  -tos <machine name on destination> 
      -top <partition name on destination>  [-c <cell name>]  
      [-n]  [-l]  [-v]  [-h]

構文

vos move コマンドは、指定された読み取り / 書き込みボリュームを現在のサイト (-fromserver および -frompartition 引き数で指定します) から宛先のサイト (-toserver および -topartition 引き数で指定します) に移動します。このコマンドは、バックアップ・コピーがあると、現在のサイトからバックアップ・コピーを自動的に移動します。新規バックアップ・ボリュームを宛先のサイトに作成するには、 vos backup コマンドを使用します。

このコマンドは、読み取り / 書き込みボリュームにだけ機能します。読み取り専用ボリュームを移動する場合には、 vos addsite および vos release コマンドを使用して、新規の読み取り専用サイトを定義し、ボリュームの内容をそこにコピーします。次に、vos remove コマンドを使用して、前の読み取り専用ボリュームの定義をボリューム・ロケーション・データベース (VLDB) から削除し、区画からデータを削除します。バックアップ・ボリュームを移動するには、このコマンドを使用して、その読み取り / 書き込みソースを移動し、 vos backup コマンドを発行します。

このコマンドを実行する前に、vos コマンド・インタープリターは、移動するボリュームが入る十分なスペースか宛先の区画にあるかどうかチェックします。十分なスペースがないと、移動操作は実行されず、次のメッセージが表示されます。

   vos: no space on target partition dest_part to move volume volume
   

注意

特別な理由のない限り、vos move コマンドの実行中に操作を中断しないでください。移動操作を中断すると、次のような矛盾が生じる可能性があります。

vos move 操作の実行中に <Ctrl-c> 割り込み信号を押すと、次の警告メッセージが表示され、信号を kill するかどうか確認を求められます。

SIGINT ハンドラー: vos move 操作が進行中です
警告: AFS 記憶域およびメタデータが中間状態のままになる可能性があります
もう一度 control-c を押して処理を終了してください
   

操作を終了する場合は、 <Ctrl-c> を再度押してください。操作を継続する場合は、それ以外のキーを押してください。

オプション

-id
読み取り / 書き込みボリュームの完全名またはボリューム ID 番号のいずれかを指定します。

-fromserver
ボリュームが現在存在するファイル・サーバー・マシンを指定します。マシンの IP アドレスまたはホスト名 (完全修飾名またはあいまいでない省略形) を指定します。詳細については、vos コマンド・セットの解説ページを参照してください。

-frompartition
現在ボリュームが存在する区画の名前を指定します。完全な区画名を指定します。(たとえば、 /vicepa) または、 vos 解説ページの概要に記載されている省略形のいずれかを指定してください。

-toserver
ボリュームの移動先になるファイル・サーバー・マシンを指定します。マシンの IP アドレスまたはホスト名 (完全修飾名またはあいまいでない省略形) を指定します。詳細については、vos コマンド・セットの解説ページを参照してください。

-topartition
ボリュームの移動先の区画名を指定します。完全な区画名を指定します。(たとえば、 /vicepa) または、 vos 解説ページの概要に記載されている省略形のいずれかを指定してください。

-cell
コマンドを実行するセルを指定します。この引き数は、 -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。

-noauth
コマンドの発行側に非特権 ID anonymous を割り当てます。このフラグは -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。

-localauth
ローカルの /usr/afs/etc/KeyFile ファイルのキーを使用して、サーバー・チケットを構成します。相互認証の間、vos コマンド・インタープリターは、ボリューム・サーバーおよびボリューム・ロケーション・サーバーに、このチケットを提供します。このフラグは、-cell 引き数、または -noauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。

-verbose
標準出力ストリームに、コマンド実行の詳細なトレースを出力します。この引き数を省略すると、警告およびエラー・メッセージだけが表示されます。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

次の例は、ボリューム user.smith をファイル・サーバー・マシン fs3.abc.com の区画 /vicepb からファイル・サーバー・マシン fs7.abc.comの区画 /vicepg に移動しています。

   % vos move -id user.smith -fromserver fs3.abc.com -frompartition b  \
              -toserver fs7.abc.com -topartition g
   

必要となる特権

コマンドの発行側は、-toserver および -fromserver 引き数に指定されたマシン、および各データベース・サーバー・マシンにある /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。-localauth フラグを使用する場合には、コマンドの発行側が、ローカル・スーパーユーザー root として、サーバー・マシンにログオンする必要があります。

関連情報

vos

vos addsite

vos backup

vos release

vos listvol

vos remove


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