管理解説書
目的
サイトからボリュームを削除します。
構文
vos remove [-server <machine name>] [-partition <partition name>]
-id <volume name or ID> [-cell <cell name>]
[-noauth] [-localauth] [-verbose] [-help]
vos remo [-s <machine name>] [-p <partition name>] -i <volume name or ID>
[-c <cell name>] [-n] [-l] [-v] [-h]
構文
vos remove コマンドは、指定されたボリュームが常駐する区画からそのボリュームを削除します。ボリューム・ロケーション・データベース (VLDB) の記録は、次に示すように、適宜変更されます。このコマンドを使用すると、3 つのタイプのボリュームをいずれも削除することができます。削除結果は、ボリュームのタイプによって異なります。
- -id 引き数で読み取り / 書き込みボリュームを指定している (つまり、ボリュームのベース名を指定している) 場合は、それとそれに関連したバックアップ・ボリュームが両方とも、含まれる区画から削除されます。
1 つの読み取り / 書き込みサイトしか存在しないため、
-server および -partition 引き数はオプションです。ボリュームが削除されると、サイト情報も VLDB 項目から削除されます。読み取り / 書き込みボリュームおよびバックアップ・ボリュームの ID 番号は、
vos listvldb または vos examine コマンドによる出力には表示されなくなりましたが、内部には保存されています。読み取り専用サイトは、存在するとしても、それに影響はありませんが、読み取り / 書き込みサイトが再定義されない限り、変更できません。
vos examine および vos listvldb コマンドにより、
サイト数として報告されるサイト・カウントは、1 ずつ減っていきます。読み取り専用サイトがない場合には、VLDB 項目全体が削除されます。
- -id 引き数で読み取り専用ボリュームを指定している場合は、そのボリュームは、それが含まれる区画から削除され、対応するサイト情報が VLDB 項目から削除されます。
vos examine および vos listvldb コマンドにより、
サイト数として報告されるサイト・カウントは、削除するボリュームごとに、1 ずつ減っていきます。複数の読み取り専用サイトが存在する場合、
-server 引き数 (および、オプションで -partition 引き数) を使用して、ボリュームを削除する先のサイトを指定しなければなりません。読み取り専用サイトが 1 つしかない場合は、
-id 引き数だけで十分です。この場合、読み取り / 書き込みボリュームもなければ、VLDB 項目全体が削除されます。
- -id 引き数でバックアップ・ボリュームを指定している場合は、そのボリュームは、それが含まれる区画から削除されます。
1 つのバックアップ・サイトしか存在し得ないため、
-server および -partition 引き数はオプションです。バックアップ・ボリュームの ID 番号は、
vos listvldb コマンドによる出力、または、これに対応する vos examine コマンドによる出力の部分には表示されなくなりましたが、内部には保存されています。
このコマンドは、ほとんどすべての場合にボリュームを削除するための最も適切なるコマンドです。ボリュームだけまたは VLDB 項目だけを削除する他のコマンド (vos delentry、vos remsite、および vos zap コマンド) を使用すると、定義上、ボリュームと VLDB の同期が取れなくなる場合があります。これらのコマンドは、その解説ページで説明している特定の状況でのみ使用します。
vos delentry コマンドと同様に、このコマンドは、ファイル・サーバー・マシンに対応するボリュームが存在しないときに、
VLDB 項目を削除することができます。
vos zap コマンドと同様に、このコマンドは、ボリュームがオンラインで、-server および -partition 引き数が指定されていて、
-id 引き数でボリュームの ID 番号が指定されている場合に限り、
VLDB 項目のないボリュームを削除することができます。
オプション
- -server
- 削除するボリュームがあるファイル・サーバー・マシンを指定します。これが必要なのは、-id 引き数で複数サイトにある読み取り専用ボリュームを指定している場合だけです。マシンの IP アドレスまたはホスト名 (完全修飾名またはあいまいでない省略形) を指定します。詳細については、vos コマンド・セットの解説ページを参照してください。
- -partition
- 削除するボリュームのある区画 (-server 引き数に指定されたファイル・サーバー・マシン上にある) を指定します。名前の前にスラッシュを付けて完全な区画名を指定するか (たとえば、/vicepa)、または使用可能な 3 つの省略形のいずれかを使用してください。詳細については、vos コマンド・セットの解説ページを参照してください。
この引き数を組み込む必要があるのは、
-id 引き数で複数サイトにある読み取り専用ボリュームを指定している場合だけです。この引き数と一緒に -server 引き数を指定します。
- -id
- 削除するボリュームを、その完全名またはボリューム ID 番号で識別します。読み取り専用ボリュームまたはバックアップ・ボリュームを名前で識別する場合は、適切な拡張子 (.readonly または .backup) を含めます。
注: | -server 引き数および -partition 引き数を省略する場合は、
-id スイッチを指定しなければなりません。
|
- -cell
- コマンドを実行するセルを指定します。この引き数は、
-localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。
- -noauth
- コマンドの発行側に非特権 ID anonymous を割り当てます。このフラグは -localauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。
- -localauth
- ローカルの /usr/afs/etc/KeyFile ファイルのキーを使用して、サーバー・チケットを構成します。相互認証の間、vos コマンド・インタープリターは、ボリューム・サーバーおよびボリューム・ロケーション・サーバーに、このチケットを提供します。このフラグは、-cell 引き数、または -noauth フラグと一緒に使用してはなりません。詳細については、vos の解説ページを参照してください。
- -verbose
- 標準出力ストリームに、コマンド実行の詳細なトレースを出力します。この引き数を省略すると、警告およびエラー・メッセージだけが表示されます。
- -help
- このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。
例
次の例は、読み取り / 書き込みボリューム user.terry とそのバックアップ・バージョン (もしあれば) を削除しています。
% vos remove -id user.terry
次の例は、読み取り専用ボリューム root.afs.readonly をそのサイトの 1 つ (ファイル・サーバー・マシン fs1.abc.com の /vicepa 区画) から削除しています。
% vos remove fs1.abc.com a root.afs.readonly
必要となる特権
コマンドの発行側は、-server 引き数に指定されたマシン、および各データベース・サーバー・マシン上の /usr/afs/etc/UserList ファイルにリストされていなければなりません。-localauth フラグを使用する場合には、コマンドの発行側が、ローカル・スーパーユーザー root として、サーバー・マシンにログオンする必要があります。
関連情報
vos
vos delentry
vos remsite
vos zap
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