XFIG Users Manual

国際化 (日本語、韓国語などの使用)

xfig 3.2.X、及び fig2dev 3.2.X には国際化のためのコードが含まれており、 テキストに日本語などの文字を含めることが可能となっています。 現時点では、日本語、及び韓国語での動作が確認されています。

これについての追加の情報が http://member.nifty.ne.jp/tsato/xfig/ から入手できるかも知れません。 この国際化機能に関する質問などは、 VEF00200@nifty.ne.jp (T.Sato) へお送り下さい。 日本のユーザーは、xfig そのものに関する質問なども この宛先へ送られても結構です。

現時点では xfig の公式リリースには含まれていませんが、 ギリシャ (ISO-8859-4)、ヘブライ (ISO-8859-8)、タイ (ISO-8859-11)、 シリル (ru_RU.KOI8) なども使用できるかも知れません。 これについては、 http://member.nifty.ne.jp/tsato/xfig/Xfig and non-ASCII Characters を参照して下さい。



環境

国際化機能を使用するためには、以下の環境が必要です。

インストール

xfig のインストール

  1. xfig.3.2.5-alpha3x.full.tar.gz を入手し、展開します。

  2. xfig.3.2.5-alpha3x/Imakefile の、 ``#define I18N'' のコメント・アウトを解除 (XCOMM を削除) します。

  3. あなたのシステムの C ライブラリが必要なロケールをサポートしているならば、 その Imakefile の中の I18N_DEFS の定義から -DSETLOCALE を取り除きます。 C ライブラリが必要なロケールをサポートしていないならば、 -DSETLOCALE が指定されていることを確認します。

  4. xfig通常の手順でコンパイルし、 インストールします。

fig2dev のインストール

  1. transfig.3.2.5-alpha3x.tar.gz を入手し、展開します。

  2. transfig.3.2.5-alpha3x/fig2dev/Imakefile の、 ``#define I18N'' のコメント・アウトを解除 (XCOMM を削除) します。

  3. japanese.ps などのファイルを /usr/local/lib/fig2dev 以外のディレクトリにインストールしたいならば、 その Imakefile の中の FIG2DEV_LIBDIR、及び I18N_DEV_DEFS の指定を書き換えます。

  4. transfig (fig2dev) を 通常の手順でコンパイルし、 インストールします。

起動

  1. 環境変数 LANG に、 使用したい言語を示すロケール名 (ja_JP.eucJPko_KR.eucKR など) を設定します。

  2. 必要であれば、使用すべき入力メソッドを指定するために 環境変数 XMODIFIERS を設定します。

  3. 適切な変換サーバー (Canna や Wnn など)、 及び入力メソッド (kinput2 や htt など) が使用可能であることを確認します。

  4. ``xfig -international'' を実行します。

    -international オプションを指定しなかった場合には、 国際化機能が有効となっていない xfig と同様に動作します。 リソース・ファイルに ``Fig.international: true'' のような行を追加しておけば、 -international オプションは不要となります。

テキストの入力

国際化機能を有効とすると、日本語などを含んだテキスト (以下、「国際化テキスト」と呼ぶ) を TEXT 機能を用いて 入力することが可能となります。 国際化テキストを入力する際には、 TEXT FONT で、 ``Times-Roman''、もしくは ``Times-Bold'' (日本語環境においては ``Times-Roman + 明朝''、 及び ``Times-Bold + ゴシック'' と表示される) を選択しておく必要があります。

国際化テキストの入力は、 TEXT モードにおいて テキストを入力する状態となっている時に、 入力モードを切り替えるためのキーを押すことによって開始します。 どのキーを押すと入力モードが切り替えられるかは環境に依存しますが、 Shift-SPACE、Control-SPACE、Control-O、Control-\ などの いずれかとなっていることが多いものと思われます。 変換の方法なども環境に依存しますが、 通常はその環境における他のアプリケーションでの操作と共通となります。

入力のスタイルとしては Off the Spot、Over the Spot、 及び Root のいずれかを使用することができ、 どのスタイルを使用するかは inputStyle リソース、 もしくは -inputStyle オプションによって指定することができます。 例えば、xfig -international -inputStyle OverTheSpot とすると、 Over the Spot での入力を行なうようになります。

Off the Spot:
変換中のテキストはキャンバスの下端に表示されます。

[Input Style: Off-the-Spot]

Over the Spot:
変換中のテキストは実際に入力を行なう箇所に表示され、 その場で変換を行なうことができます。 ただし、最終的な表示とは異なったフォントが使用されるため、 入力中の表示はやや奇妙なものになります。 また、環境などによっては、やや不自然な挙動を示したり、 あるいはキャンバス上の表示が乱れたりする可能性もあります。

[Input Style: Over-the-Spot]

Root:
変換中のテキストは独立したウィンドウに表示されます。

[Input Style: Root]

カスタマイズ

画面への表示に用いるフォントの変更

デフォルトでは、画面への表示に用いるフォントの指定 (プログラムにハードコードされている) は、 おおよそどのようなシステムでも確実にフォントを見付けられるように、 かなり緩いものとしてあります:

    Fig.normalFontSet: -*-times-medium-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*,\
	 -*-*-medium-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*,\
	 -*-*-*-r-*--16-*-*-*-*-*-*-*
    Fig.boldFontSet: -*-times-bold-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*,\
	 -*-*-bold-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*,\
	 -*-*-*-r-*--16-*-*-*-*-*-*-*

しかし、このデフォルトの指定では 環境によってはあまり好ましくないフォントがロードされてしまう (好ましくない字体で表示されたり、xfig の起動に時間がかかったりする) 可能性もあります。 そのような場合には、リソース・ファイル (app-defaults/Fig) でフォントをより具体的に指定することによって、 指定したフォントをロードさせることが可能です:

    Fig*FontSet: -misc-fixed-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*
    Fig.normalFontSet: -*-times-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*,\
        -misc-fixed-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*
    Fig.boldFontSet: -*-times-bold-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*,\
        -misc-fixed-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*

また、スケーラブルなフォントが使用可能である場合 (例えば X-TrueType Server のようなスケーラブル・フォントに対応した X サーバーを使用している場合) には、次のように大きなフォントを指定することによって 文字の表示品質を改善することも可能です:

    Fig*FontSet: -*-times-medium-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*,\
        -foobar-mincho-medium-r-normal--16-*-*-*-*-*-*-*
    Fig.normalFontSet: -*-times-medium-r-normal--64-*-*-*-*-*-*-*,\
        -foobar-mincho-medium-r-normal--64-*-*-*-*-*-*-*
    Fig.boldFontSet: -*-times-bold-r-normal--64-*-*-*-*-*-*-*,\
        -foobar-gothic-medium-r-normal--64-*-*-*-*-*-*-*

PostScript 出力に用いるフォントの変更

PostScript での出力に際して用いるフォントは fig2dev パッケージに含まれる japanese.ps などのファイルで指定されており、 このファイルを書き換えることによって他のフォントに変更することができます。

日本語

デフォルトでは、Ryumin-Light、及び GothicBBB-Medium が使用可能であればそれらを、 さもなくば HeiseiMin-W3、及び HeiseiKakuGo-W5 を使用します。

ロケール名としては、japanesejaja_JPja_JP.ujisja_JP.eucJP、及び ja_JP.EUC が使用できるようにしてあります。

韓国語

デフォルトでは、Munhwa-Regular、及び MunhwaGothic-Bold が使用可能であればそれらを、 さもなくば HLaTeX-Myoungjo-Regular、及び HLaTeX-Gothic-Regular を使用します。

ロケール名としては、koreankoko_KRko_KR.eucKR、及び ko_KR.EUC が使用できるようにしてあります。

その他の言語

日本語、及び韓国語以外の言語のための設定ファイルは用意していませんので、 使用したい言語と使用可能なフォントに応じてファイルを作成する必要があります。

ファイルは、fig2dev のインストールの際に指定したディレクトリに、 ロケール名の後に ``.ps'' を付けた名前で作成する必要があります。 例えば、ロケール名が zh_CN.eucCN であるならば、 このファイル名は zh_CN.eucCN.ps とする必要があります。

リソースの指定

X Window System では、アプリケーションの国際化 (地域化) の支援のため、 実行時のロケールに応じたリソース・ファイルを読み込ませることができるようになっています。 この機能を用いると、実行に際してオプションなどを指定することなく、 言語に応じて適切な設定を行なうことが可能となります。 xfig を複数の言語環境で適切に動作するようにするようにするためには、 この機能を用いて適切な設定を行なうことが必要となるかも知れません。

X11R6 のデフォルトの設定では、 /usr/X11R6/lib/X11/locale/app-defaults/Fig のようなリソース・ファイル (ここで、locale はロケール名、もしくはその「言語部分」を示す) が存在する場合、それは /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults/Fig に優先して読み込まれます。 従って、例えば日本語環境用の設定を /usr/X11R6/lib/X11/ja/app-defaults/Fig に書いておけば、 環境変数 LANGja_JP.eucJP などに設定されている場合には その日本語用の設定が、それ以外の場合には /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults/Fig に書かれている標準の設定が有効となります。

注意事項など

動作確認済みの環境

現時点において、以下の環境での動作が報告されています。

日本語

Operating System X Input Method
SunOS 4.1 X11R6 kinput2
Solaris 2.5 X11R6 kinput2
Solaris 2.5-2.6 OpenWindows, CDE htt, ATOK
HP-UX 10.20 X11R6 kinput2
IRIX 6.3* X11R6 kinput2
FreeBSD 2.2 XFree86 kinput2
Slackware Linux 3.1 XFree86 kinput2
RedHat Linux 4.2, 5.2 XFree86 kinput2
Debian GNU/Linux 2.x XFree86 kinput2, skkinput
Linux MLD 5 XFree86 kinput2

* IRIX 6.3 では、IRIX の純正の cc (gcc ではなく) を用いて、 コンパイル・オプションとして -N32 -mips3 を指定して コンパイルする必要があるかも知れません。 また、IRIX に含まれている JPEG ライブラリを使用せずに、 JPEG ライブラリのソースを入手してコンパイルする必要があるかも知れません。

韓国語

Operating System X Input Method
RedHat Linux 5.2, 6.0 XFree86 hanIM, ami

参照:
Hangul and Internet in Korea FAQ
Hangul and Printing


[ Contents | Introduction | Credits ]