管理解説書

Vn

目的

ディスク・キャッシュにある AFS データのチャンクを格納します。

構文

Vn ファイルには、ディスク・キャッシュを使用しているクライアント・マシンでキャッシュされた AFS データのチャンクが格納されます。キャッシュ・マネージャーは、初期化時に、以下に示した値の最大値と等しい数の Vn ファイルがローカル・ディスク・キャッシュ・ディレクトリーに格納されているかどうか検査をします。

キャッシュ・マネージャーは、afsd コマンドの -blocks 引き数からキャッシュ・サイズを判別します。この引き数が指定されていない場合には、/usr/vice/etc/cacheinfo ファイルの 3 番目のフィールドから判別します。デフォルト・チャンク・サイズは 64 KB です。この値を変更する場合には、 -chunksize 引き数を指定して、 afsd コマンドを発行してください。計算で求められたデフォルトのチャンク数を変更する場合には、 -files 引き数を指定して、 afsd コマンドを発行してください。これらの引き数の制限事項および指定可能な値については、 afsd の解説ページを参照してください。

ディスク・キャッシュ・ディレクトリーに、必要な数より少ない Vnファイルしか格納されていない場合、キャッシュ・マネージャーは新しいファイルを作成し、他のファイルと区別するための固有の整数 n を各ファイルに割り当てます。この整数は 1 から始まり、Vn ファイルが作成されるたびに 1 ずつ増えていきます。キャッシュ・マネージャーは、必要以上のファイルが格納されている場合は、不要なファイルを削除します。また、キャッシュ・マネージャーは、fs setcachesize コマンドに応答して Vn ファイルを追加または削除する場合があります。これにより、次にリブートしたときのキャッシュ・サイズを変更することができます。

標準的なディスク・キャッシュ・ディレクトリー名は /usr/vice/cache ですが、使用可能なスペースがある区画であれば、そのディレクトリーを使用することができます。異なるディレクトリーを指定する場合は、afsd コマンドを発行する前に /usr/vice/etc/cacheinfo ファイルの 2 番目のフィールドの値を変更するか、-cachedir 引き数を指定して、afsd コマンドを発行してください。

AFS ディレクトリーのリストや一時的に格納されるファイルのサイズに合わせて、Vn ファイルが拡張される場合があります。前述のように、デフォルトでは 各 V n ファイルには、キャッシュされた AFS 要素が最大 64 KB (65,536 バイト) まで格納されます。 64 KB を超える AFS 要素は、複数の Vn ファイルに分割されます。要素が 64 KB より小さい場合、Vn ファイルは、必要なサイズになるまで拡張されます。 Vn ファイルには、単一要素だけが格納されます。したがって、サイズの小さい要素が数多くキャッシュされていると、キャッシュ・サイズの最大値に達しないため、使用可能な Vn ファイルがなくなる可能性があります。

注意

Vn ファイルを編集したり、削除すると、カーネルに問題が起きる可能性があります。次回のリブート時のキャッシュ・サイズ (つまり、Vn ファイルの数) を変更する場合には、fs setcachesize コマンドを使用してください。また、マシンの AFS初期化ファイルで呼び出される afsd コマンドの -blocks-files または -chunksize 引き数の値を変更して、リブートしてください。 1 つ以上の Vn ファイルの内容を更新する場合には、fs flush または fs flushvolume コマンドを使用してください。 Vn ファイルが誤って変更または削除されても、マシンをリブートすると、通常のパフォーマンスを復元することができます。

関連情報

cacheinfo

afsd

fs flush

fs flushvolume

fs setcachesize


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