管理解説書

afsd

目的

キャッシュ・マネージャーの初期化および関連デーモンを開始します。

構文

afsd [-blocks <1024 byte blocks in cache>]  
     [-files <files in cache>]
     [-rootvol <name of AFS root volume>]
     [-stat <number of stat entries>]
     [-memcache]  [-cachedir <cache directory>]  
     [-mountdir <mount location>]
     [-daemons <number of daemons to use>]  
     [-nosettime]  [-verbose]  [-rmtsys]  [-debug]  
     [-chunksize <log(2) of chunk size>]
     [-dcache <number of dcache entries>]
     [-volumes <number of volume entries>]  
     [-biods <number of bkg I/O daemons (aix vm)>]
     [-prealloc <number of 'small' preallocated blocks>]
     [-confdir <configuration directory>]
     [-logfile <Place to keep the CM log>]  
     [-waitclose]  [-shutdown]  [-enable_peer_stats]  
     [-enable_process_stats]  [-help]

このコマンドは、AFS コマンド・セットの構文規則に準拠していません。コマンド名およびすべてのオプション名は省略せずにすべて指定してください。

構文

afsd コマンドは、AFS に関連する構成情報をカーネル・メモリーに転送し、いくつかのデーモンを開始して、AFS クライアント上のキャッシュ・マネージャーを初期化します。具体的には、afsd コマンドは、次の操作を行います。

キャッシュ構成パラメーターを設定する以外に、 afsd プログラムは、次のデーモンを開始します。 (多くのシステム・タイプでは、これらのデーモンは、 UNIX の ps コマンドの出力で、名前のない項目として表示されます。)

注意

-shutdown パラメーターは使用しないでください。このパラメーターを使ってキャッシュ・マネージャーを終了しても、あまり効果はありません。その代わりに、UNIX の標準の umount コマンドを使用して、 AFS ルート・ディレクトリー (標準では、/afs) をアンマウントし、キャッシュ・マネージャーを停止してください。その後マシンをリブートして、キャッシュ・マネージャーを再度初期化する必要があります。

オプション

-blocks
マシンのキャッシュ・ディレクトリー (ディスク・キャッシュの場合) またはメモリー (メモリー・キャッシュの場合)で使用可能な KB ブロックの数を指定します。これにより、/usr/vice/etc/cacheinfo ファイルの 3 番目のフィールドにあるデフォルト定義は上書きされます。ディスク・キャッシュの場合、この値は、キャッシュ区画で使用可能なスペースの 95% を超えることはできません。メモリー・キャッシュを使用する場合は、この引き数と -dcache 引き数とを一緒に使用しないでください。一緒に使用すると、チャンク・サイズが 2 のべき乗にならなくなることもあります。

-files
ディスク・キャッシュをキャッシュ・ディレクトリーに作成するために、 Vn ファイルの数を指定して、 記述セクションの説明にしたがって計算されたデフォルト値を上書きします。各 Vn は、データのチャンクを格納し、デフォルトの最大サイズの 64 KB まで大きくなることがあります。この引き数は、-memcache 引き数と一緒に使用してはなりません。

-rootvol
AFS ファイル・ツリーのルート・ディレクトリー (通常、 /afs ディレクトリー) に対応する読み取り / 書き込みボリュームに名前を付けます。この値は、root.afs ボリュームのデフォルト値を上書きします。

-stat
マシンのメモリーに割り振る、キャッシュにある AFS ファイルに関する状況情報を記録するための項目の数を指定します。この値は、デフォルト (300) を上書きします。

-memcache
ディスク・キャッシュではなく、メモリー・キャッシュを初期化します。このフラグは、-files 引き数と一緒に使用してはなりません。

-cachedir
キャッシュとして使用されるローカル・ディスク・ディレクトリーを指定します。この値は、/usr/vice/etc/cacheinfo ファイルの 2 番目のフィールドで定義されているデフォルト値を上書きします。

-mountdir
AFS ファイル・スペースのルートにマウントするローカル・ディスク・ディレクトリーを指定します。この値は、/usr/vice/etc/cacheinfo ファイルの最初のフィールドで定義されているデフォルト値を上書きします。 /afs ディレクトリーが使用されていないと、マシンは、その値を使用するセルのファイル・スペースにアクセスできません。

-daemons
マシンで実行するバックグラウンド・デーモンの数を指定します。これらデーモンは、保管データの事前取り出しおよびバックグラウンド書き込みを行うことにより、パフォーマンスを向上させます。この値はデフォルトの 2 を上書きします。デフォルトは、 1 つのマシンを 5 ユーザーが使用している場合に適切な値です。 6 よりも大きな値を指定しても、通常は 6 の場合よりもパフォーマンスがあがることはありません。

注: 仮想メモリー (VM) を組み込んだ AIX マシンでは、 VM デーモンの数は、この引き数が指定され、-biods 引き数が指定されていない場合には、この引き数の 2 倍に設定されます。どちらの引き数も指定されていない場合は、VM デーモンの数は 5 です。

-nosettime
5 分ごとにサーバー・マシン上でクロックをチェックし、キャッシュ・マネージャーのクロックと、ランダムに選択されたサーバー・マシンのクロックが、キャッシュ・マネージャーによって同期しないようにします。すでに他の時間同期プロトコルが使用されているマシン上でのみ、このフラグを使用します (たとえば、runntp 処理が実行されるサーバー・マシン)。

-verbose
標準出力ストリーム上に afsd プログラムのアクションの詳細なトレースを生成します。

-rmtsys
NFS クライアント・マシンに代わって AFS で指定されるシステム・コールを実行する追加デーモンを初期化します。このフラグは、マシンが AFS コマンドを実行する NFS クライアント・マシンのユーザーに NFS/AFS 変換プログラム・ユーザーを提供している場合にのみ使用します。

-debug
標準出力ストリーム上に afsd プログラムのアクションの非常に詳細なトレースを生成します。この情報は、大部分はデバッグ目的のために役立ちます。

-chunksize
各キャッシュ・チャンクのサイズを設定します。設定された整数は、 030 までの範囲内になければならず、 2 のべき乗で使用されます。この値は、ディスク・キャッシュの場合は、デフォルト値 16 (216 は 64 KB になります) を上書きし、メモリー・キャッシュの場合は 13 (213 は 8 KB になります) を上書きします。値が 0 以下または 30 より大きい場合、適切なデフォルト値をチャンク・サイズに設定します。 10 未満の値 (10 の場合のチャンク・サイズは 1 KB になります) は、お勧めしません。発行者がキャッシュ・サイズを計算しなければならないので、この引き数と -dcache 引き数を一緒に使用することはお勧めできません。

-dcache
メモリー内の dcache 項目の数を設定します。この値は、キャッシュ・チャンクに関する情報を保管するために使用されます。ディスク・キャッシュの場合、これによってデフォルト値が上書きされます。このデフォルト値は Vn ファイルの数の半分です (キャッシュ・チャンク)。メモリー・キャッシュの場合、この引き数はキャッシュのチャンク数を効率よく設定します。ただし、それには発行者が最終的なキャッシュ・サイズ (これはチャンク・サイズとこの値を掛けた結果になります) を計算しなければならないので、この引き数を使用することはお勧めできません。この引き数と -blocks 引き数は、一緒に使用しないでください。一緒に使用すると、チャンク・サイズが 2 のべき乗にならなくなることがあります。

-volumes
ボリュームの場所情報を保管するために割り当てられる、メモリー構造の数を指定します。デフォルト値は 50 です。

-biods
仮想メモリー (VM) を搭載した AIX バージョンが稼働しているマシンの入出力操作専用の VM デーモンの数を指定します。この引き数と-daemons 引き数がどちらも指定されていない場合は、デフォルト値 5 が想定されます。この引き数が指定されていなくて、 -daemons 引き数が指定されている場合は、 VM デーモンの数は、-daemons 引き数の値の 2 倍に設定されます。

注:この引き数は、VM を搭載した AIX が稼働しているマシンで使用してください。

-prealloc
キャッシュ・マネージャーが内部で使用するために事前に割り振られるメモリー数を指定します。デフォルトの初期値は 400 です。ただし、キャッシュ・マネージャーは、必要に応じて、動的にメモリー割り振りを増やします。

-confdir
cacheinfo ThisCell、および CellServDB 構成ファイルの取得先の /usr/vice/etc ディレクトリー以外のディレクトリーを指定します。

-logfile
廃止されています。指定しても何も起こりません。キャッシュ・マネージャーが生成しなくなったトレースのタイプを記録するための代替えファイルを指定します。デフォルト値は、/usr/vice/etc/AFSLog です。

-waitclose
キャッシュ・マネージャーのオペレーション結果を保持しません。キャッシュ・マネージャーの以前のバージョンではこれによってファイル・サーバーへの同期書き込み動作が影響を受けていましたが、現バージョンではデフォルトの動作になっています。非同期書き込みを行う場合には、 fs storebehind コマンドを使用します。

-shutdown
キャッシュ・マネージャーを停止します。ただし、効果的な方法とはいえません。このフラグは使用しないでください。

-enable_peer_stats
Rx 統計集合を活動化し、それらを保管するためのメモリーを割り振ります。別のマシンの特定の UDP ポートとの接続ごとに、送信または受信された RPC の各タイプ (FetchFile、 GetStatus など) のレコードが別々に保持されています。レコードを表示したり、ほかの方法でレコードにアクセスするには、 Rx Monitoring API を使用します。

-enable_process_stats
Rx 統計集合を活動化し、それらを保管するためのメモリーを割り振ります。送信または受信された RPC の各タイプ (FetchFile、GetStatus など) ごとに、レコードが別々に保持され、別のマシンへのすべての接続が集計されます。レコードを表示したり、ほかの方法でレコードにアクセスするには、 Rx Monitoring API を使用します。

-help
このコマンドのオンライン・ヘルプを出力します。これ以外の有効なオプションはすべて無視されます。

afsd コマンドは通常、コマンド・シェル・プロンプトで入力されるのではなく、マシンの AFS 初期化ファイルに組み込まれます。最大ディスク・キャッシュのための適切な形式です。

   /usr/vice/etc/afsd
   

以下のコマンドは、5 ユーザー以上に応対する NFS/AFS 変換プログラム・マシンのように振る舞うマシンが使用可能な時に適切です。

   /usr/vice/etc/afsd -daemons 4 -rmtsys
   

以下のコマンドは、メモリー・キャッシュを初期化し、チャンクのサイズに 16 KB (214) を設定します。

   /usr/vice/etc/afsd -memcache -chunksize 14
   

必要となる特権

コマンドの発行者は、ローカル・スーパーユーザー root としてログインする必要があります。

関連情報

CacheItems

CellServDB (クライアント・バージョン)

ThisCell (クライアント・バージョン)

Vn

cacheinfo


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