管理解説書

kas

目的

kas コマンド・セットの概要

構文

kas コマンド・セットのコマンドは、セル内のデータベース・サーバー・マシンで実行されている認証サーバーへの管理インターフェースです。これらのコマンドを使用すると、認証データベースを保守したり、クライアント・アプリケーションが AFS データおよび他のサービスにアクセスするために AFS サーバーに渡す必要がある認証チケットを提供することができます。

kas コマンド・セットには、いくつかの種類があります。

認証データベースの情報は機密性が高いため、認証サーバーは、チケット獲得サービスが生成した標準のトークンではなく、kas コマンドの発行者を直接認証します。管理特権を必要とする kas コマンドは、パスワードを要求するプロンプトを出します。この結果、チケットは、発行者の最大チケット存続時間または認証サーバーのチケット許可サービスが短くない限り 6 時間有効です。

一連の kas コマンドを発行するときに、パスワードを繰り返し入力しなくても済むようにするには、 kas interactive コマンドを発行して対話モード にしてから、操作コードを付けずに kas と入力するか、または kas に続けてアットマーク (@; 例は kas smith.admin@abc.com) を入力し、ユーザー名とセル名を分けてください。パスワードを要求するプロンプトを出すと、認証サーバーは、対話式セッションの間に発行されたすべてのコマンドのトークンを受け入れます。対話モードの切り替え用の各メソッドをいつ使用するか、およびセッションの切り替えの効果については、 kas interactive コマンドの解説ページを参照してください。

認証サーバーは、サーバーを実行するマシンのローカル・ディスク上に 2 つのデータベースを保守します。

オプション

kas コマンド・セットの多くのコマンドでは、以下の引き数およびフラグを使用することができます。(対話モードでは入力できないコマンドもあります。これらのコマンドは、対話モードに入ると、指定された情報に接続します。この情報は対話モードを終了するまで変更されません。) 各コマンドの解説ページにも説明はありますが、ここでは詳しく説明します。

-admin_username
コマンド実行時の認証サーバーによる認証で使用されるユーザー ID を指定します。この引き数が省略された場合、 kas コマンド・インタープリターは、発行者がログオンしたローカル・マシンの中で識別のための認証を要求します。この引き数は、-noauth フラグと一緒に使用してはなりません。

-cell <cell name>
コマンドを実行するセルの名前を示します。ローカル・マシン上の /usr/vice/etc/CellServDB ファイルにある他の項目と区別できる場合には、セル名の省略形を使用することができます。 -cell 引き数が省略されると、コマンド・インタープリターは、次の内容を順に読み込み、ローカル・セルの名前を判別します。

  1. AFSCELL 環境変数値
  2. ローカル /usr/vice/etc/ThisCell ファイル

-cell 引き数は、対話モードのコマンドでは使用できません。 kas コマンド・インタープリターが対話モードになっているときに定義されるセルは、対話セッション中に発行されるすべてのコマンドに適用されます。

-help
標準出力ストリームにコマンドのオンライン・ヘルプ・メッセージを出力します。このフラグは、コマンドの他のオプションと一緒に使用してはなりません。このフラグを使用すると、コマンド・インタープリターは、他のすべての引き数およびフラグを無視し、ヘルプ・メッセージの出力だけを行います。

-noauth
認証サーバーが、コマンドの発行者を非特権ユーザー anonymous として扱い、認証されていない認証サーバーへの接続を確立します。サーバー・マシン上で許可検査ができない場合 (ファイル・サーバー・マシンのインストレーションや bos setauth コマンドが通常以外の環境で使用された場合) にだけ有効です。通常の環境では、認証サーバーは、大半の kas コマンドを特権ユーザーだけに許可します。-noauth フラグが指定されていても、このようなアクションの実行は許可しません。このフラグは、-admin_username および -password_for_admin 引き数と一緒に使用してはなりません。

-password_for_admin
コマンド発行者のパスワードを指定します。パスワードがコマンド・シェルにそのまま表示されてしまうため、この引き数は省略して、プロンプトでパスワードを入力することをお勧めします。この引き数は、-noauth フラグと一緒に使用してはなりません。

-servers
ローカル /usr/vice/etc/CellServDB ファイルにリストされた各マシンではなく、指定されたデータベース・サーバー・マシンで実行する認証サーバーとの接続を確立します。いずれの場合も、 kas コマンド・インタープリターは、ランダムにマシンを選択して、後続のコマンドを実行します。ローカル・ネーム・サービスが一意的に識別できる範囲であれば、マシン名を短くすることができます。

必要となる特権

多くの kas コマンドでは、コマンドの発行者は、その認証データベースの項目に ADMIN フラグがセットされていなければなりません。(kas setfieldsコマンドを使用すると、フラグをオンにすることができます。)

関連情報

CellServDB (クライアント・バージョン)

kaserver.DB0 および kaserver.DBSYS1

kaserverauxdb

kas apropos

kas create

kas delete

kas examine

kas forgetticket

kas help

kas interactive

kas list

kas listtickets

kas noauthentication

kas quit

kas setfields

kas setpassword

kas statistics

kas stringtokey

kas unlock

kaserver


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